原典:TEQSA(オーストラリア高等教育質・基準機構)(英語)
2014年3月5日、TEQSAは「(質保証にかかる)リスクアセスメント枠組(Risk Assessment Framework)」を発表した。これは、2012年2月にTEQSAが発表した「(質保証にかかる)リスク規制枠組(Regulatory Risk Framework)」(本サイト2013/11/27投稿記事)の改訂版で、改訂に伴って名称も変更された。第1サイクルのリスクアセスメントにおける経験と高等教育セクターからのフィードバックをもとに見直しが行われ(当該見直しは、2013年10月にTEQSAが発表した「規制(監督)プロセスに関する改革指針」(本サイト2013/11/27投稿記事)に明記)、改訂版は枠組の簡素化と厳格化が図られている。
リスクアセスメント枠組は、TEQSAが登録された高等教育機関に対して行うリスクアセスメントの要点と利用するリスク指標の詳細を説明するもので、主な目的は以下のとおり。TEQSAはリスクアセスメントを行うことで、優先的に行うべき規制・監督事項の判断が容易となるため、高等教育セクターに対するリスクベースの規制・監督において、重要な役割を担っている。
- 各高等教育機関のリスクアセスメント結果によって、規制・監督プロセスにおいてTEQSAへの提出が必要となる根拠資料や報告書を調整する(結果がよい場合には減らす)ことで、各高等教育機関の負担を軽減する
- 登録期間中、各高等教育機関が行う主要業務をモニタリングすることで、学生の興味・関心と高等教育機関の評判の保護を強化する
- TEQSAと各高等教育機関が喫緊の問題について公式に議論する場を早期に設けることを促進する
- 各高等教育機関と高等教育セクターにおける潜在的なリスクや優良事例を共有することで、質改善に向けた取り組みを支援する
「リスクアセスメント枠組」では、質保証にかかる以下12のリスク指標が示されており、これらは最低基準(本サイト2013/11/27投稿記事)とリンクしている。
2. 学生の学習量(Student load)
3. 学生の退学率(Attrition rate)
4. 学生の習熟度(Progress rate)
5. 学位取得率(Completions)
6. 学生満足度(Student Satisfaction)
7. 卒業生の就職率・進学率(Graduate destinations)
8. 幅広い教育分野に精通した上級職の教員数(Senior academic leaders)
9. 教員一人あたりの学生数(Student to staff ratio (SSR))
10. 臨時的な雇用契約教員の比率(Academic staff on casual work contracts)
11. 財務状況(Financial viability)
12. 財務の持続可能性(Financial sustainability)