ジョンソン大学・科学担当大臣が今後の高等教育方針について講演

2015年9月9日、ジョー・ジョンソン大学・科学担当大臣が英国大学協会(UUK)の年次会合で講演を行った。講演では、今後の高等教育制度の方針が述べられ、その一部はグリーン・ペーパー(green paper:英国政府が国会審議用に作成した政策提案書)として、今秋、議会に提出される予定である。

講演のポイントは以下のとおりである。

【高等教育機関の情報公開の徹底】

  1. 学生を顧客と捉え、学生が高等教育機関を堅実に選択できるようにすることが重要である。ゆえに、学生の学費の使途など、情報をさらに公開することが必要である。
  2. TEF(教育卓越性枠組)※1により、学生に対して実際に行われている教育内容に関する情報をより正確に提供する機関、学生の教育プログラムへの関与を拡充する機関及び学生のニーズが最大限に反映される機関を支援していきたい。
  3. TEFが、高等教育システム契機を見直す一つの契機になればよいと考えている。

【高等教育への進学者拡大について】

  1. 政府は2020年までに身体的、経済的、出自等の問題により、高等教育への進学に関して不利な状況にある学生の進学率を2009年と比較し2倍にするという公約を掲げているが、さらに人種的マイノリティーの学生数についても、卒業率・就職率を改善した上で、2020年までに2割増加することを目標とし、特に進学率が低いグループに対して注意を払っていく。
  2. 高等教育への進学者拡大をより効果的に進めていくために、高等教育への進学に関して不利な状況にある学生の出自・これまでの学力・どのコースを選択したか等の過去の有益なデータを活用することが大切になってくる。そのため、UCAS(大学・カレッジ入学サービス)やOFFA(高等教育機会均等局)と密な連携を図っていく。

【高等教育市場における公平な競争環境の構築について】

  1. 高等教育市場に競争原理を働かせることは、高等教育機関に教育の質改善のための大きなインセンティブを与える。
  2. 学位授与権付与等に係る規制を緩和することにより、その付与に要する期間の短縮や新規事業者の参入を拡充し、競争を促していく。

【質保証制度改革について】

  1. 教育の質向上、学生の権限強化、高等教育市場の開放そして、高等教育における費用効果の改善が今回の改革の骨子である。
  2. 今後求められる質保証システムとは、高等教育の費用を実質上負担する学生・雇用主・納税者などのステークホルダーの利益を保護し、各高等教育機関にとって、簡素であり、形骸化されたものではなく、低コストのものでなければならない。

※1 TEF(教育卓越性枠組)について

ジョンソン大臣は、7月1日に開催したUUKの会合の中で、学生の学習に対する期待事項を満たし、英国経済のニーズに貢献し、高等教育における教授面を見直すために、TEFを導入するとし、これが今後の高等教育制度の見直しの優先的な課題になると述べている。TEF導入の狙いとして以下の点を挙げている。

  1. 学生の発想力を高め、学生の積極的な授業への参画を促し、就職に必要な能力を養うような卓越した教育を受けられるよう全ての学生に保証する。
  2. 教育についても研究同様、偉大な研究者のように、素晴らしい教育を実施する先生が評価され、それがキャリアや昇給につながるような文化を構築する。
  3. すでに学生が学部の研究ランクを比較することができるのと同様に、様々な高等教育市場を刺激し、教育の質を学生が判断できるような情報を与えるようにする。
  4. 様々なバックボーンを持つ学生を歓迎し、彼らの学び直しをサポートし、勉学の継続または卒業後の職獲得のサポートをするために様々な取組みを実施する機関を奨励する。
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