エラスムスプログラムのインパクト調査の結果が公開―地域的な傾向が明らかに

原典:欧州委員会(英語)

欧州と世界の教育機関が共同で教育プログラムを提供するエラスムス・ムンドゥス(参照:NIAD-UE国際連携ウェブサイト)をはじめとするエラスムスプログラムの関係者等を対象として、欧州委員会(EC)が行ったインパクト調査報告書「Erasmus Impact Study―Regional Analysis」が2016年1月に公開された。

回答状況
当アンケートには、エラスムスプログラムへの参加資格を持つ71,368人・機関(卒業生:15,933人、学生:53,845人、雇用主:634人、高等教育機関:956機関)が回答。回答内容について欧州を4つの地域(北部、南部、東部、西部)に分けて分析している。

  • 北部…デンマーク、エストニア、フィンランド、アイスランド、アイルランド、
    •   リトアニア、ノルウェー、スウェーデン、英国
  • 南部…クロアチア、キプロス、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スロベニア、スペイン、
    •   トルコ
  • 東部…ブルガリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア
  • 西部…オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、スイス

主な結果
回答結果より、地域的な傾向として次の点が挙げられる。

  1. 学生の留学動機については、地域ごとに差が見られた(下記表を参照)。
  2. 北部の雇用主は、他の地域の雇用主に比べ、学生のより雇用可能性に関係した技能を重視している。特に、下記5つの技能に重きを置いている。
    ・新たな状況に適応し、行動する能力
    ・分析、問題解決能力
    ・コミュニケーション能力
    ・計画、組織力
    ・チームワーク能力
  3. エラスムスプログラムによる留学経験は、起業精神を高める傾向にある。
  4. 卒業後5~10年になる卒業生について、エラスムスプログラムの卒業生は留学して  いない卒業生に比べ、指導的立場により多く就いている。特に東部ではその差が著しく、前者は70%であるのに対し、後者は41%となっている。
  5. 留学経験は、個人に肯定的な変化をもたらす傾向にある。例えば、人格的な成長(personality change)の項目では、6か月のエラスムスプログラムでの経験は、エラスムスプログラムなしの4年間の生活経験に相当するとされる。
  • 地域ごとで差が見られた項目
北部 南部 東部 西部
(1)海外留学の動機について(他地域との比較で特記すべき事項) 新たな人々に出会い、自国での就業機会を高める 言語とソフトスキルを発展させ、海外での就業機会を高める 言語とソフトスキルを発展させ、自国での就業機会を高める 海外に住み、新たな人々と出会う
(2)雇用主が最も重視する能力 チームワーク能力とコミュニケーション能力 チームワーク能力と計画・組織力 コミュニケーション能力 チームワーク能力
(3)エラスムス学生の起業割合(()内は起業を計画している割合) 7%(27%) 9%(32%) 7%(38%) 5%(25%)
(4)指導的立場(management position)に就いている割合(()内は留学経験のない学生における割合) 51%(52%) 68%(65%) 70%(41%) 62%(57%)
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