米国のカレッジ学生が抱える食糧と住宅に対する不安

米国では学費が高騰する膨大な学業ローンの未返済が増加している問題に加え、大学やコミュニティカレッジの学生が食糧と住居に対する不安を感じているという調査結果を示す「未だに空腹を抱えホームレスの状況にある大学生(STILL HUNGRY AND HOMELESS IN COLLEGE)」調査の報告書が、ウィスコンシンホープ研究所 (Wisconsin HOPE Lab)により2018年4月に発表されました。この研究の概要は以下の通りです。

「未だに空腹を抱えホームレスの状況にある大学生(STILL HUNGRY AND HOMELESS IN COLLEGE)」調査について:

・調査実施年:2015年、2017年、2018年の3回

※2015年、2017年の調査はコミュニティカレッジ(2年制)のみを対象とし、2018年は大学(4年制)が追加

・調査の対象:

‐調査地域:20州

‐機関数:66機関(コミュニティカレッジ:31機関、大学:35機関)

‐調査数:学生4万3千人(コミュニティカレッジ:2万3千人、大学:2万人)

‐本分野の調査では全米最大規模

・調査結果

コミュニティカレッジの学生の42%が食糧不安、46%が住宅不安を抱えている状況、そして12%はホームレスの状況であることが判りました。4年制大学の学生の場合、36%が食糧不安と住宅不安を抱えた状態で、9%はホームレスの状態であるという結果です。本調査は、これら基本的な欲求に対する不安がコミュニティカレッジの学生のみではなく、4年制大学の学生にも影響を与えていることを明らかにしました(表1)。

表1

  コミュニティカレッジ(2年制) 大学(4年制)
食糧不安(注1)を抱えた学生の割合 42% 36%
宅不安(注2)を抱えた学生の割合 46% 36%
ホームレス(注3)状態の学生の割合 12% 9%

(2018年4月)

(注1)食糧不安:栄養的に十分かつ安全な食糧を入手できる可能性、若しくはそれらの食糧を社会的に許容される手段で得る能力が限定されている、又は不確実であることを指す。

(注2)住宅不安:家賃や電気・水道代などを払えない、又は頻繁に引っ越さなければならないというホームレスより広範な状況を指す。

(注3)ホームレス:居住する場所がなく、多くの場合はシェルター、乗用車、廃墟の中、又は野宿する状況を指す。

一方日本では、世界規模の食糧不足の問題や、国内の食糧の安全・安心、日本の農業や住宅事情などをテーマとした調査研究は多数見られるものの、現在のところ高等教育機関に在籍する学生を対象とした食糧や住宅に対する不安をテーマとする調査はほとんど目にしません。日本でも同様の懸念があり得ないか、今後も注目したいところです。

原典①:STILL HUNGRY AND HOMELESS IN COLLEGE(英文) 

原典②:Sara Goldrick-Rab氏公式ウェブサイト(英文) 

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