テーマ別アーカイブ:アメリカ合衆国
米国:CHEA-AGB、大学等の理事会に対する共同声明を発表―アクレディテーションへの積極的参画に向けて
米国の高等教育アクレディテーション協議会(Council for Higher Education Accreditation: CHEA)と大学理事会協会(Association of Governing Boards of Universities and Colleges: AGB)は2022年3月25日に、米国の高等教育機関の理事会(Governing Board)に対し、アクレディテーションへの積極的参画を促す共同声明「AGB-CHEA Joint Advisory Statement on Accreditation & Governing Boards 2022」を発表した。2009年に同様の共同声明を発表しているが、昨今の大学等を取り巻く状況を踏まえて13年ぶりに改訂されたものである。大学等の意思決定機関である理事会のアクレディテーションへの積極的参画は、大学等を外部脅威から守り、大学等がその使命を果たす上で重要な役割を果たす。声明では、理事会に対するアクレディテーションへの理解の深化や参画を促す方策と、大学等の執行責任者である学長(Chief Executive Officer)に対する理事会の参画を促す環境整備などに関する方策が掲載されている。 続きを読む
アメリカ: コロナ禍での大学・カレッジの対応を探る―授業形態・学生受入等の動向
米国教育協議会(ACE)は、アメリカの大学・カレッジの学長を対象に、新型コロナウイルスがもたらした課題に対する大学・カレッジの対応に関する調査を2021年2月と4月の2回にわたって行った。
調査は幅広い事柄に対して、新型コロナウイルス拡大前と比較して質問したものであり、新型コロナウイルスによってもたらされた課題のみならず、これを契機に高等教育機関が対応を変更した事項と変更しなかった事項が明らかになった。下記では、授業形態や学生受入を中心にまとめた。 続きを読む
新型コロナ流行で?アメリカ高等教育の卒業者数が減少
昨年度アメリカの学部(undergraduate)レベルを卒業した学生の数が、National Student Clearighouse (NSC)によって2021年1月28日に公開された。2019年7月から翌6月にBachelor’s Degree (BA)、Associate Degree (AA)、Certificateのいずれかを取得した学生の総数は約365万人で、2012/13年度の調査開始以来、初めての減少を示した。特に、2020年4月~6月にAAまたはCertificateを取得した学生の数が顕著に減少しており、新型コロナウイルス流行の影響が示唆されている。 続きを読む
アメリカ:SATがSubject Testsとエッセー試験を廃止―各国の大学で対応が必要か
アメリカの非営利団体College Boardが運営する試験SATは、2021年1月19日に、科目別試験SAT Subject Testsとエッセー試験SAT Essayの廃止を発表した。科目別試験はアメリカ国内では即時廃止され、国外では2021年5月と6月の試験をもって廃止される。エッセー試験は、国内の一部の州を除き、2021年6月の実施をもって終了となる。 続きを読む
カナダの高等教育、公式証明書の電子化を実現
2020年12月7日、カナダ高等教育の学位等の資格証書や成績証明書の電子化プラットフォームMyCreds/ MesCertifが開設された。運営するのは国内高等教育機関に勤務する学籍担当者(registrar)と入学担当者の団体ARUCC。カナダの高等教育で学んだ学生は、これから自分の修了書や成績証明書を自らの手で管理し、就職や進学の際には第三者との共有もオンライン上でできるようになる。 続きを読む
サブスク型も支援:米教育省、オンライン教育への規則を改正。来年7月から施行へ
アメリカ教育省は2020年8月24日、学生向け奨学金の支給対象となる高等教育プログラムの要件の変更を発表した。今回の変更では、遠隔教育、直接評価(direct assessment)を行う教育、サブスクリプション型教育などを対象に、定義の明確化や要件の緩和が行われる。アメリカでは、奨学金の支給要件は連邦行政規則(CFR: Code of Federal Regulations)に定められており、教育省は2018年から規則改正に向けた手続き―negotiated rulemaking―を進めていた。改正規則は、新型コロナウイルス対策に関する一部をのぞき、2021年7月1日に施行される。
続きを読む →アクレディテーションは必要?アメリカ全50州と準州での中等教育の多様性
2020年6月4日にアメリカの中等教育とインターナショナルスクールに関する調査レポートThe Changing Landscape of Accreditation: Guide to Secondary-School Recognition in the United Statesが発表された。同国で外国資格の審査を手がけるECE社のBellin氏とWenger氏が著した本書は、高等教育へ進学可能な中等教育修了資格という観点からアメリカの中等教育の多様性を解説している。本記事ではこの調査レポートとアメリカ教育省の情報をもとに、同国の中等教育が持つ多様性を紹介する。 続きを読む
学歴の代用は可能か?代替的資格の6つの特徴と課題:OECD報告書
経済協力開発機構(OECD)は、代替的資格(alternative credential)に関する世界的動向をまとめ、2020年3月10日に報告書The emergence of alternative credentialsを発表した。著者であるKatoらは、スキル獲得への需要の増加と電子化による教育コストの低下により、教育機関に限らず企業やその他機関が提供する学習期間の短い教育がとても増えていると述べる。一方で、こうした教育で得られる資格が、学校や企業にそのまま受け入れられているわけではなく、教育の質にもばらつきがあることも指摘する。 続きを読む
豪政府:自粛中にスキルアップを。短期のオンライン教育に新たな高等教育資格を創設
オーストラリアのダン・テーハン教育大臣は、2020年4月12日に新型コロナウイルスの流行に対する高等教育救済パッケージ(Higher Education Relief Package)を発表した。この中には、短期のオンライン教育を提供する高等教育機関への支援が含まれ、国の教育制度上の高等教育資格としてUndergraduate Certificateが新たに導入されることになった。 続きを読む
国際的な学生の移動に新型コロナウイルスがもたらした影響とは―米国・中国間のケース
2020年3月5日、国際交流を促進する機関であるInstitute of International Education(IIE)は新型コロナウイルスによる米国・中国間における国際的な学生の移動への影響について米国の高等教育機関を対象に行った調査「COVID-19 Effects on U.S.Higher Education Campuses, Academic Student Mobility to and from China」の結果を公表した。 続きを読む