英愛など4機関が新たに加盟:欧州の評価機関登録簿

原典:EQAR (英語)

欧州の高等教育では質保証活動の自由化が進められており、それに伴い評価機関の多様性も拡大している。そうした中、欧州地域共通の質保証ガイドラインを遵守する評価機関で構成する欧州質保証機関登録簿(EQAR)は、2015年6月に開かれた登録委員会で新たに4機関の加盟を承認した。加盟が認められたのはイギリスのBAC、アイルランドのQQI、スペインのfmid、コソボのKAA。これにより、現在EQARには20ヶ国から40の評価機関が登録されている。

4評価機関の加盟審査は、5月に改訂された『欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン(ESG)』に沿って行われた。3部構成のESGでは、第3部が外部質保証機関に対する基準とガイドラインとなっており、評価機関自身の公的地位や独立性の確保、内部質保証制度の整備、定期的な外部評価の実施が求められるなど、健全な組織運営が問われる内容となっている。

また、新たな加盟機関のうちイギリスのBACは、今年に入り欧州の評価機関ネットワークである欧州高等教育質保証協会(ENQA)への加盟が認められた(本サイト2015/5/26投稿記事)ところである。イギリスでは、QAA(英国高等教育質保証機構)との契約満了によって、政府による高等教育質保証の業務委託入札が予定されており、BACのような他の評価機関の活発な活動は注目される事態である。

欧州地域48ヶ国で構成する欧州高等教育圏(EHEA)の関係閣僚は、EQARに登録されている評価機関であればEHEA内のどの国でも自由に質保証活動ができるよう、規制緩和を進めることで合意している。こうした質保証活動の自由化が進む中、EQARの規模が拡大することで、高等教育機関の選択肢が増え、より高い品質の第三者評価サービスが提供されることが期待される。

EQAR新加盟機関

  • BAC: British Accreditation Council for Independent Further and Higher Education (イギリス)
  • QQI: Quality and Qualifications Ireland (アイルランド)
  • fmid: Fundación para el Conocimiento Madridmasd (スペイン)
  • KAA: Kosovo Accreditation Agency (コソボ)
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