欧州47か国代表、欧州地域の高等教育統合に向けて議論する

原典:エレバン・コミニュケ(英語)
参考①:WIREDGOV(英語)
参考②:Panorama.am(英語)
参考③:News.am(英語)

●概要
2015年5/14~5/15にかけてアルメニアのエレバンにおいて、EHEA(欧州高等教育圏)の大臣会議が開催され、47か国の代表者が参加した。各国代表者は欧州地域の高等教育統合に向けた取組における2020年までの方向性について協議し、合意 文書及び、関連文書をとりまとめた。

これらの会議や合意は欧州における高等教育システムの改革を目指して行われたものであり、この改革をボローニャプロセスという。また、このボローニャプロセスに参加した国が2010年に設立した高等教育に関する枠組みをEHEAという。EHEAは、欧州に おける高等教育統合を目指しており、学生の教育目的での国際移動、及び、その実現に不可欠な国際的な単位互換や加盟国の高等教育の質保証の基準といった制 度整備に取り組んでいる。

今回の会議では、これまでのボローニャプロセスについて振り返り、具体的取組内容の見直しの必要性を明らかにしたほか、ベラルーシの加盟申請を承認し、高等教育を労働市場と関連させて議論した。

なお、EHEAでは、2020年までに、資格学位の自動認証の実現、包括的社会の建設に資する教育の実現、加盟国の国民が求める能力、技術を提供する教育機会の実現を掲げている。

●会議内容の概要
優先的に取り組まれるべき事項は以下の通り

  1. 学生本位の学習(学習成果の透明性確保、柔軟な学習等の実施により達成する)
  2. 教育と労働市場の連関(授業における実践と理論のバランスやキャリア開発)
  3. 生涯学習をはじめ、様々な学習機会を提供することによって、異なる背景を持つ学習者が教育へアクセスできるようにすること
  4. 既存の制度改革の実現(ex. 学生、学習方法の多様化に対応、生涯学習や学習機会へのアクセスを改善、学生や教員のモビリティの機会を提供)

合意文書には付属条項としてコミットメントが掲載されているが、特筆すべきこととしては、質保証に関してEHEAは高等教育機関が外部質保証の プロセスにおいて、EQAR(欧州高等教育質保証協会)に登録した機関を使用できるようにすることを約束したことである。これは、ある大学が外国の評価機 関による審査を希望できるということであり、高等教育の外部質保証(第三者評価)の国際化を意味する。

●採択文書
会議で採択した文書は以下の通り

  1. 改訂ESG(欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン)…高等教育機関及び質保証機関双方にとって共通の参照点となる内部質保証、外部質保証(第三者評価)ならびに外部質保証機関に関する欧州基準が示されている。
  2. 欧州アプローチ(共同教育プログラムの質保証に関する欧州的アプローチ)…共同教育プログラムの質保証に関するもので、外部質保証を簡素化するためのプログラム
  3. 改訂ECTSユーザーズガイド…欧州域内での単位互換制度に関する説明書

●大臣のコメント
アルメニアの教育大臣は合意文書について、“欧州の困難に向き合った、極めて重要なものであり、実用的かつ野心的な内容になっている。高等教育の包括性に言 及しているという点で重要である”と述べている。また、ラトヴィアの教育大臣は、“批判はあるものの、現在の社会経済的な困難に対してEHEAは会議を通 じて前進しており、労働市場との関係では、EHEAの取り組みが雇用を生み出すことにつながる”と述べた。フランスの首相付国家改革・簡素化担当大臣は、 “ボローニャプロセスの成功は加盟国共通の成功である”と述べている。

次期会議は、2018年にフランスのパリで行われる予定となっている。

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