コンピテンスベース教育課程の承認、評価機関が足並み揃える

原典①:Inside Higher Ed (英語)
原典②:Council of Regional Accrediting Commissions (英語)

2015年6月2日、アメリカ6地域に存在する7つの評価機関(地域アクレディテーション機関)が集うC-RAC (Council of Regional Accrediting Commissions)が、コンピテンスベース教育(CBE)によって学位を授与する課程を承認する際の共同方針を発表した、とInside Higher Edが報じた。

アメリカでは、授業のコマ数など時間数を基準にした学位授与課程に替わり、定められた知識や技能(コンピテンス)の習得をもって修了要件とするCBE課程への関心が高まっている。連邦教育省は、CBE課程履修者への奨学金支給を本格的に認めることを念頭に、詳しい制度設計のための試験的配分事業(本サイト2014/9/11投稿記事)を進めている。

コンピテンスベース教育
学生の知識や技能、思考力、意欲、感性など能力の取得を教育成果とする手法。能力取得の判断は、学習者による取得能力の披露を審査することで行う。詳細はこちら(本サイト2014/10/31投稿記事)

 

今回のC-RACの発表では、CBE課程が①科目/単位換算型、②直接評価型、③(前述両者の)ハイブリッド型に3分類され、各タイプのCBE課程が評価機関から承認されるための手続きと、審査の際の11の留意点が公開されている(下記参照)。

直接評価
直接評価の課程では、指定された講義や教材がなく、学生はこれまでの学習や職業経験、あるいは自ら行う学習を基に評価を受ける。つまり、授業への出席などは評価の対象ではなく、課題に対するパフォーマンスによってコンピテンスの取得が判断される。評価の手段としては、研究プロジェクト、論文、試験、プレゼンテーション、実技、ポートフォリオなどがある。(出典:本サイト2014/10/31投稿記事)

 

評価機関によるCBE課程の承認は、連邦奨学金の支給を受けるために重要である。現行制度でCBE課程が連邦奨学金の支給対象プログラムとなるには、当該課程を従来の単位時間(credit hour)に換算し、評価機関による承認を受けなければならないからだ。

C-RACのBrittingham議長は、このC-RACによる共同方針は、連邦教育省が近々公表するCBE課程の設置指針とあわせ、「CBE課程を広めると同時に、学術プログラムとしての質と一貫性もたらす」と期待を示している。

 

評価機関によるCBE課程承認審査時の留意点

  1. 科目/単位型あるいは直接評価型のCBE課程に提供力(事務能力、アセスメント経験など)があるか
  2. 設定された学習成果の大半がパフォーマンスを重視しているか(知識だけが問われていないか)
  3. 各コンピテンスに外部参照できる根拠はあるか
  4. 連邦教育省が求める教員学生間の「定期的で決定的な」相互関係が保たれ、学生に対しては適切なサービスを提供しているか
  5. 授与した学位が備えるコンピテンスは、その大学が与えた学位としてふさわしい一貫性があるか
  6. 定められたコンピテンスのレベルや難易度は、その学位レベルにふさわしいものであるか
  7. 披露されたコンピテンスの質は、「優」かそれに近いものであるか
  8. 学位取得にあたり、学生はすべてのコンピテンスを披露しているか
  9. コンピテンスの審査や評価の際に、優良事例を参考にしているか
  10. コンピテンスの披露の大半で本人認証ができているか
  11. 学生や卒業生からのフィードバックや外部指標によって、プログラムの質を測定しているか
カテゴリー: 米国, 質保証/アクレディテーション関係(米国) タグ: , , パーマリンク