中国の卒業証書と学位証書の認証業務がCSSDに一本化

2022年8月15日より、中国の高等教育資格(卒業証書と学位証書)の認証業務が一本化された。これまでCSSD(旧CHESICC)が卒業証書の認証、CDGDCが学位証書(=学位記)の認証業務を行っていたが、卒業証書も学位証書もCSSDが担当することとなった。

これにより、中国の高等教育機関で取得された卒業証書と学位証書の両方の認証を、CSSDが運営する「学信網(原語:学信网)」から申請することとなった。学位の方は、同サイトトップページ中段の「学籍学歴学位(原語:学籍学历学位)」欄の「学位認証(原語:学位认证)」から認証申請ページへ進むことができる。また、このページ下部の関連添付資料(原語:相关附件)には新旧の認証報告書のサンプルが掲載されている。

【CSSDとCDGDCについて】
    • CSSD(Center for Student Services and Development)(旧CHESICC)
      教育部学生サービス・発展センター(原語:教育部学生服务与素质发展中心)
      1991年、「全国高等教育機関卒業生就業指導センター」として設立。ユネスコの東京規約に基づく中国の国内情報センター(NIC)の一つとして、大学入試関連サービスの提供、中国で発行された高等教育機関の卒業証書・学籍証明書・成績証明書の認証、就業支援を行っているが、今回これに学位認証業務が加わった。
    • CDGDC (China Academic Degrees and Graduate Education Development Center)
      教育部学位・大学院教育発展センター(原語:教育部学位与研究生教育发展中心)
      1998年、「全国学位・大学院研究発展センター」として設立。大学院教育と学位に関する研究を行い、国の政策への助言を行う機関。中国の大学院教育の質保証を担うほか、東京規約に基づく中国の国内情報センター(NIC)の一つとして、2000年から学位の認証や学位授与権審査に携わってきたが、このたび、学位認証業務がCSSDに移行した。

  • なお、上記2機関のほか、中国の国内情報センター(NIC)として、CSCSEがある。
    • CSCSE(Chinese Service Center for Scholarly Exchange)
      中国(教育部)留学サービスセンター(原語:中国(教育部)留学服务中心)
      1989年、留学サービスを提供する機関として設立。中国から海外への留学・海外留学から中国への帰国・外国人の中国留学に関する業務、及び教育関連の国際交流に関するサービスを提供している。中国以外の国・地域(香港・マカオ・台湾を含む)で発行された高等教育資格(学歴と学位)の認証業務を担当している。

【参考】中国の高等教育資格と公的機関による資格の認証サービスについて

 中国では、課程の修了(卒業)と学位の授与は同じことを意味していない。卒業要件と学位取得要件は異なり、本科課程(学士課程に相当)以上の高等教育機関において卒業要件を満たすと卒業証書が授与され、そのうえで各高等教育機関が規定する学位要件を満たすと学位証書(学士・修士・博士)が授与されるため、卒業証書と学位証書がそれぞれにある。

 中国の学歴や学位は国によって管理されており、学生は入学時から在籍状況や成績表が各高等教育機関のデータベースに登録され、さらに所在の地方政府を通じて教育部のデータベースに集約されている。中国では偽の卒業証書や学位証書が横行しているため、中国の高等教育機関で高等教育資格を取得した者が、海外へ留学する際や中国国内で就職する際などに、卒業証書や学位証書の真正性が求められ、各自が保有する高等教育資格について、国の機関による認証サービスを利用している。認証業務とは、上述したCSSDなどの国の機関がデータベースの登録情報に基づいて、卒業証書、学位証書、その他の関連書類が真正なものであることを証明することを指す。

原典①:CDGDC(中国語)
原典②:CSSD(英語)
原典③:CSSD(中国語)

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