出典①:Quality Assurance Agency for Higher Education (QAA)(英語)
英国高等教育質保証機構(QAA)は、2015年10月29日に報告書「Higher Education Review: Second Year Findings 2014-15」を公表した。当報告書は2014-2015年期に実施された87件(高等教育機関24件,継続教育カレッジ等63件)の高等教育レビュー(HER:Higher Education Review)の結果をとりまとめたものである。
高等教育レビューは、イングランド、ウェールズ及び北アイルランドの高等教育機関及び継続教育カレッジ等を対象にQAAが実施する第三者評価であり、2013年より導入された。(高等教育レビューの概要はNIAD-UE「諸外国の高等教育分野における質保証システムの概要:英国第2版」 pp.37-39,51-54を参照)
【主なレビュー結果】
<高等教育機関>
- 受審した24機関中、4つの基準のうち1つ以上の「推奨(commendation)」の判定を受けたのは8機関であり、いずれの基準においても「水準を満たしていない(unsatisfactory judgement)」との判定を受けたのは、1機関にとどまるなど、概ね良好な結果となった。
- 学生の多くは提供された教育内容に満足していたものの、成績評価やそのフィードバック方法については改善すべき点があると捉えていた。
- 施設等の学習環境(higher education spaces)は、学生の学習経験に影響を与えた。
- 雇用可能性(Employability)に関する優良事例の数が全体の約20%を占めており、この領域は、多くの受審機関の強みとなっていた。一方で、教育における他機関との連携に関しては、多くの機関で依然低調であった。
- 大学院生向けの研究指導の内容等については、今後改善が必要な領域である。
<継続教育カレッジ>
- レビューを受審した62機関中、4つの基準のうち1つ以上の「水準を満たしていない」の判定を受けた機関は17機関であった。一方で、5機関が1つ以上の「推奨」の判定を獲得するなど、継続教育カレッジ内で評価が分かれた。
- 比較的規模の大きい継続教育カレッジの方が、在籍学生が250人未満の小規模機関よりも良いパフォーマンスを挙げる傾向にあった。
- 以前のレビューにおいて、「改善を要する(required improvement)」との判定を受けた機関のうち、5つの機関が是正措置を行い、今期のレビューにおいて「全国の基準を満たしている(meets UK expectations)」判定に修正された。