インド:外国資格の個別審査を原則廃止へ

出典:Indiatoday in Education

外国の高等教育資格(専門資格を除く)は原則としてインドでもその同等性を認めることとするとの提言をインドの人材開発大臣の諮問を受けた関連の委員会がまとめたことを、現地誌「Indiatoday」が2016年1月13日付で報じている。この提言は、学生の流動性の増加に伴い、既存の資格認証制度とのミスマッチを解消するために作られた。「学術主義」の考えに則り、相手国とインドが資格の相互認証協定を結ぶことが前提となっている。

同委員会の発表によると、「両国は協定に基づき、互いの国で認可/適格認定された高等教育機関が授与した資格を無条件に認証し、(資格の)レベルに応じて互いの資格を同等に取り扱うべきである」としている。

ただし、教育の管轄が州等にある場合や教育機関の自治の度合いが高い場合は国単位での協定は結ばれない。こうしたケースでは、インド大学協会とそれに相当する相手国の機関が協定を締結することになる。すなわち、協定を締結した協会等に属する教育機関のみが資格の相互認証の対象となる。

相互認証の対象としては、中等教育修了資格も修業年限に関係なく適用されることも示された。一方、薬学、法学、工学といった専門職的な資格の取得につながる場合は、これまでと同様に、対象となる職能団体等による認定が必要となる。また、通信教育や遠隔教育なども対象ではなく、こちらは遠隔/オープン教育委員会を新たに立ち上げた上で取り扱いが決められる。

現在、インドではインド大学協会が外国資格の審査を担っているが、ここで規定ではオーストラリアのpathway課程を経由して取得した学士号など一部の外国資格がインド国内においてその同等性が認められないことが問題となっていた(本サイト2015年9月14日掲載記事)。そのため、2015年秋には外国学位の認証要件の緩和(本サイト2015年11月24日掲載記事)を行ったが、今回の委員会の提言によってより柔軟な外国資格の認証が実現することとなる。

なお、日本は国として外国資格の相互認証に向けた協定等の締結実績はないが、国立大学協会がフランス(本サイト2014年7月14日掲載記事)ドイツ(本サイト2015年8月7日掲載記事)オーストラリア(本サイト2015年9月24日掲載記事)のパートナー機関と資格の認証を含む内容の協定を結んでいる。ドイツとの協定には、公立大学協会と日本私立大学団体連合会も加わっている。

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