高品質な高等教育をもたらす7つの原則が公開

出典:CHEA(英語)

世界中から見て質の高い高等教育を実現するには誰が何をすべきか。アメリカで高等教育の評価機関が集う米国高等教育アクレディテーション協議会(CHEA)の国際部門(CIQG)は、2015年5月に質の高い高等教育のための7つの原則International Quality Principlesをまとめ、ウェブサイトに公開した。

このたびまとめられた原則は、世界中で策定されている同様の基準やガイドラインから見出した共通項がおさえられており、高等教育の品質、質保証、資格・学位に関する議論で参照されることが期待できる。発表内容では、高等教育の質を高めるには高等教育機関、学生、社会、政府、質保証・評価機関の関与が欠かせず、さらに説明責任を果たし、変化に対応することも必要とされている。

CIQG (CHEA International Quality Group)では2012年の発足以来、質保証の世界基準制定や、ランキングをエビデンスとする質保証の是非などを議論していたが、今回の7つの原則が初めて組織として対外的に発表した提言となる。CIQGにはCHEAに加盟するアメリカ国内の評価機関のほか、世界各国の質保証機関や教育関連団体が加盟している

高品質な高等教育のための7つの原則

  1. 高等教育提供者:品質の保証と実践は、教育提供者とその職員が責任をもって最優先で取り組む
  2. 学生:学生に提供される教育は、その学習成果に関わらず常に高品質でなければならない
  3. 社会:高等教育の質の高さは、社会からのニーズに応え、市民が誇りに思い、信頼しているかどうかで判断される
  4. 政府:政府は質の高い高等教育を推進し、支援する
  5. 説明責任:教育提供者と評価機関は、説明責任を果たし、品質を示す証拠を常に提示することを担う
  6. 評価機関:評価機関は、教育提供者の経営層、職員、学生と協働し、学習成果測定のための制度構築に責任を負う
  7. 変化:高品質な高等教育には、柔軟性、創造性、革新性があり、学生の要求に応え、社会に自信をもたらし、多様性を保持する

参考基準・ガイドライン
2005 UNESCO-OECD Guidelines for Quality Provision in Cross-Border Higher Education
2007 INQAAHE Guidelines of Good Practice for Quality Assurance
2008 Chiba Principles: Higher Education Quality Assurance for the Asia Pacific Region developed by APQN【2017/5/11時点リンク切れ】
2015 Revised European Standards and Guidelines for Quality Assurance

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