ベルギー・フランダース地方で機関別レビュー導入へ

原典:NVAO(オランダ・フランダースアクレディテーション機構)(英語)

2015年6月10日、ベルギー・フランダース地方議会は、高等教育における質保証とアクレディテーション制度に関する改正法案「Ontwerp van decreet houdende wijziging van de Codex Hoger Onderwijs met betrekking tot het stelsel van kwaliteitszorg en accreditatie in het hoger onderwijs」を審議・可決した。

改正法案に基づく新たな質保証制度では、同地方の大学および高等職業教育機関(全18校)を対象に従来実施されてきたプログラム別評価に代わり、機関別レビュー(Institutional Review)が導入される。プログラムの評価は、大学がその質をどのように確保しているかという観点で、機関別レビューの中に包含される仕組みとなっている。

  • 従来の制度的課題の克服にむけて
    従前実施されていたプログラム別評価では、事務的・財政的な負担を大学にもたらし、本来重視されるべき質向上の観点が薄れてしまったとの課題を抱えていた。新たな制度は、大学への信頼と自治を基盤に置き、大学に教育の質保証・向上の責任をこれまで以上に委ねるものとなる。

機関別レビューの実施は、これまで同様にオランダ・フランダースアクレディテーション機関(NVAO)が務める。NVAOは、高等教育機関の教育方針の質や質保証、質文化、プログラムの質向上のための全学的取組みについて評価する。

  • クオリティ・コードの開発
    NVAOは新たな評価に向けて、機関別レビューの実施要綱(Framework for Institutional Reviews)とともに、クオリティ・コード(Quality Code)を開発した。クオリティ・コードでは、機関別レビューの内容とESG(欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン)(NIAD-UE国際連携ウェブサイト)の対応関係を明示するとともに、プログラムの質保証のために教育機関自らが学外の利害関係者やピア(同業者)を巻き込んでプログラムの質保証を果たしていくよう求めている。
  • 今後の動き
    法律改正後初めての機関レビューは2015年11月から開始される見込み。開始後の制度移行期間中では、機関別レビューの受審を希望する機関は、プログラム別評価の受審が免除されることとなっている(一部免除対象外の機関がある)。第1期のレビューは2017年夏に完了する見込みである。その後、レビュー制度の検証を行い、将来的にさらなる質保証制度の構築に活かすこととされている。
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