ジョイントディグリーなど 共同課程提供の参照文書をQAAが作成

出典①:QAA
出典②:QAA

英国高等教育質保証機構(QAA)は、第三者評価を行う際に参照されるクオリティ・コードの補足文書として、複数の学位授与機関が関わる学位についての参照文書(Qualifications Involving More Than One Degree-Awarding Body Characteristics Statement)を発表した。少なくとも英国から1機関が参加している共同教育プログラムを対象に、複数機関による学位授与が見られるようになった背景、学位の分類、プログラムの質を保つために留意すべきことが記載されている。

本書では、共同教育プログラムで授与される学位を2つに分類している。1つ目は、単一のプログラム修了により参加大学すべての学位授与要件を充たす場合で、各参加大学は相互依存の関係となる。これには、ジョイントディグリーや複数学位(ダブルディグリーなど)が該当する。2つ目として、一部に共同性がみられるものの、本質的には各大学が独立したプログラムを提供している場合が挙げられている。例えば、前半は共通のカリキュラムが行われ、後半は各大学のカリキュラムが順に提供されるプログラムが該当する。この場合に授与される学位としてデュアルディグリーがある。なお、これらの学位の分類や定義は、欧州高等教育アクレディテーション協会(ECA)による見解(例えばこちら)に準じている。

学位授与を伴う共同教育プログラムの質をどう保証するのか。本書ではクオリティ・コードの項目に基いて、考えうる対応策が提示されている。例えば、「プログラムの承認」という項目では、「すべての参加機関が関与する承認プロセスに沿って共同で承認される」場合と、「従来の承認プロセスに沿って、各機関が個別に承認を行う」場合の異なる対応が挙げられている。これをもとに、実際の共同教育プログラムが実現可能な対応策を検討することが期待されている。

QAAでは、共同教育プログラムによって提供される学位の品質に注目し、各教育機関が個別に授与している従来の学位品質より劣ることのないよう、各プログラムが共同して最善の策を講じることを重視している。

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