QACHE:国境を越えた高等教育の質保証プロジェクト

コメント(解説):欧州の大学がアラブやアジア地域などに大学教育を『輸出』する(CBHE: cross-border higher education)際の統一した質保証アプローチを模索し、その手法を世界中へ普及しようとするプロジェクトです。2015年11月に、プロジェクトの最終成果物として質保証機関向けのツールキットがまとめられ、報告書が発表されました。


正式名称
Quality Assurance of Cross-border Higher Education

実施主体
ENQA(欧州高等教育質保証協会)

実施年
2013-2016年

概略
QACHEは、欧州高等教育質保証協会(ENQA)を中心に、欧州、オーストラリアの質保証機関、およびアラブとアジア・太平洋地域の質保証機関ネットワークが参画するプロジェクト。欧州等の大学が行う国境を越えた高等教育(CBHE: cross-border higher education)に対して、統一した質保証アプローチを模索し、世界中に普及しようという目的を持つ。

<フェーズ①>
現在行われている様々な取組みの共有、分析を行った。教育提供者としての欧州と、受入側としてのその他地域という構図のもと、欧州、アラブ、アジア・太平洋の質保証機関および欧州の教育機関への調査を行った。

<フェーズ②>
質保証機関のCBHEへの取組みについて、欧州4ヶ国(フランスドイツスペイン英国)とオーストラリアのカントリーレポートを作成した。

<フェーズ③>
欧州(2014年9月29-30日於英国)、アラブ(2014年11月19-20日於バーレーン)、アジア(2015年1月23日於マカオ)でのフォーラム開催。欧州でのCBHE質保証の取組みを紹介した。

<フェーズ④>
プロジェクト最終報告会議を開催(2015年11月5-6日於フランス)。最終報告会議では、質保証機関向けのツールキット(A TOOLKIT FOR QUALITY ASSURANCE AGENCIES)および報告書がまとめられた。

<ツールキットのポイント>

  • 当プロジェクトでは、海外のブランチキャンパス、共同プロジェクトでの連携、課程認定(validation)、フランチャイズ提携(arrangement)、遠隔教育を含む、教育プログラムと高等教育の提供者の国際的なモビリティを対象とする。
  • あくまで勧告であり、既存の国家的、地域的、国際的な枠組みやガイドラインに対する、追加的かつ補助的なツールとして捉えられるべきであるとする。
  • “情報共有”、“質保証における協力”、“質保証機関のネットワーク”の3つから成り立っている。

なお、最終報告書の主な内容は当機構のホームページ(高等教育質保証の海外動向発信サイト:QA Up Dates)からご覧ください。

カテゴリー: 国際的な共同教育 パーマリンク

コメントを残す