ASEANの技術職業教育の調和と国際化を目指したハイレベル公式会合開催

原典①:High Officials Meeting on SEA-TVET
原典②:Chiang Mai Joint Statement on Harmonisation and Internationalisation of TVET in Southeast Asia
参考:SEAMEO-SEA-TVET

タイ教育省職業教育局(OVEC)は、東南アジア教育大臣機構(Southeast Asian Ministers of Education Organization:SEAMEO)事務局、ブリティッシュ・カウンシルとの共催により、2015年8月24日から26日にかけて、タイ・チェンマイにおいて、技術職業教育(TVET)の調和と国際化を目指したASEANハイレベル公式会合を開催した。
この会合は、2014年9月にラオス・ビエンチャンで開催されたASEAN教育大臣によるSEAMEOでの戦略的対話(SDEM)の方針によるもの。この戦略的対話で提案されたSEAMEO 2015-2035 の重点課題7項目の1つとしてTVETの普及が挙げられ、その後の2015年5月にタイで開催されたSEAMEO評議員会で、重点課題7項目を促進するためにSEAMEOリージョナルセンターの活用が提案されたことを受けて開催された。

ASEAN諸国は、急激な経済成長と市場のニーズに応えるため、技術力のある人材の効果的な育成が検討されていることから、今回の会合は、教育の質を高め、技術職業教育を促進し、ASEAN統合を支援するため、①ASEANのTVETに関する政策立案者・実務者のネットワークを強化すること、②ASEANの調和と国際化を目指したTVETの戦略や開発の優先順位を決定することを目的として開催された。

会合の結果、共同声明として公表された今後の協力内容と戦略は以下のとおりである。

  1. 各国のTVET質保証やASEAN資格参照枠組み(ASEAN Qualification Reference Framework : AQRF)を参考に作られるSEAMEO加盟国の資格枠組みの開発を確認、共有する。
  2. 産学連携やインターンシップも含め、海外の学生や教職員の交流の枠組みとしてSEA-TVETコンソーシアムを設立する。
  3. 域内の調和を試行的に促進するために、第一優先産業を接客業、観光業とする。また、その他の優先産業を1)電子工学・電子機械工学・製造業、2)農業・漁業、3)建設業とし、今後着手する。
  4. 知識、優良事例、資源(専門家、教育・学習システムおよび教材等)、TVETの質の促進に向けた協力拡充のための基盤を共有する。オンラインのTVET質保証ポータルを、情報共有を促進するプラットフォームとして活用する。
  5. 域内で将来見込まれる労働力の需要と供給のギャップを縮めるため、優先産業を定めて産業界や他の団体と協力して地域区分を定めることで、職業分布を把握する。
  6. 東南アジアにおけるTVET構想の調和・国際化の一環として、自然保護事業、技術革新による起業家育成、TVETの革新的実践、教員養成・研修、TVET全般の活動に取り組む。
  7. 調和的なTVETの戦略を立て、責任を共有するためにステークホルダーを動員する。

このASEANハイレベル公式会合を受けて、より地域的な戦略を展開し、優先産業の実務的なメカニズムや包括的なアクションプランを明確にするためのワークショップ(国レベル含む)が既に開催されているほか、教員養成の取り組みとして、インドネシア9大学、タイ1大学、ベトナム1大学による複数大学間の協定が結ばれ、学生交流プログラムが2016年1月から実施される予定である。

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