イスラーム学の世界的な拠点を目指す

出典:The Jakarta Post(英語)

2015年6月19日、インドネシアのニュースサイトであるThe Jakarta Postは、インドネシアにおけるイスラーム教育についての記事を以下のとおり発表した。

インドネシア政府は、インドネシアをイスラーム学の世界的な中心地とすることを計画しており、これによりインドネシア国内では、宗教省所管のイスラーム系高等教育機関へ進学する学生が増加している。

宗教省の発表によると、当該機関は、高等教育機関へ進学予定の学生にとって第2志望ではなく、第1志望の進路先として捉えられるようになってきているとのことである。

●インドネシア国内の高等教育機関数(うち、イスラーム系高等教育機関数)※2009年現在

全体:3,532校(557校)


国立:135校(52校)

私立:3397校(505校)

●インドネシア国内の学生数(うち、イスラーム系高等教育機関に通う学生数)※2009年度

428万人(51万人)

※出典:アジアの高等教育事情 ダイナミック・アジア9

当該機関の代表的な種類は、大学、アカデミー、カレッジである。現在、宗教省はカレッジをアカデミーに、アカデミーを大学に格上げするよう促しており、今後5年間で全てのカレッジをアカデミーに昇格する計画である。これは、当該機関に対しより多くのインフラ整備や教員数の増加といった権限を与えることで、イスラーム学の学習機会をより多く提供することを意図している。宗教省は、技術的な支援等必要なサポートを行うことで、この流れを加速させる予定である。

また、当該機関における教員の質を向上させる取組も進行中である。現在、当該機関で教える教員のうち博士号を保有している教員は11%であるが、宗教省はこれを80%まで引き上げることを目標としている。また、宗教省は、国立のイスラーム系大学に在籍する教員に対し、国内外での博士号取得のための奨学金を1,000件付与したが、この奨学金は、2019年まで毎年1,000件ずつ付与される予定である。

本施策の最終目標は、インドネシアを、世界中の学生がイスラーム学を学びに来る拠点とすることである。宗教省の担当者は、「インドネシア国内のイスラーム系高等教育機関数はすでに世界最大規模であり、潜在的な能力はある。あとは宣伝に力を入れ、国際的な認知度を上げることが必要である。そのため、インドネシア国内の教員の海外派遣を進めている。」と述べている。

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