ASEANの第4次産業革命 ―教育分野におけるアプローチ―

第4次産業革命という言葉を耳にすることが多くなりました。
第4次産業革命とは、IoT(モノのインターネット)、AI、ビッグデータといった革新的技術の実用化によりもたらされる産業構造の変化を指します。具体的には、工場生産システムのAIによる管理や、医療現場でのビッグデータに基づいたオーダーメイドの治療などです。これにより、生産・サービスの効率化、最適化が実現するといわれています。
こうした取組は、主に欧米や東アジアで盛んに行われていると思われがちですが、実は今、ASEANが第4次産業革命に積極的に取り組んでいます。背景には、経済成長の鈍化と高齢化があります。これまで豊富な労働力を武器に低付加価値産業で成長してきたASEANですが、近年は人件費の高騰などもあって経済成長が鈍化傾向にあります。加えて高齢化も進行しています。限られた労働人口でも経済成長を促すことのできる高付加価値産業への変革は、生き残りをはかるうえで必須といえます。
その中で教育セクターは、第4次産業革命を牽引する人材を育成するという意味で、この国家的な目標を達成するうえで重要な役割を担っています。
以下では、教育分野での特徴的な取組を紹介します。

ブランチキャンパスの設立
ASEANでは、ロボット工学などの高度なテクノロジー分野の高等教育がまだ十分とはいえません。そこで質の高い高度技術分野の教育を提供する海外の大学をブランチキャンパス(海外分校)という形で受け入れ、国内で不足している教育分野を補おうという動きが、とくにタイインドネシアで出ています。

産学官連携の推進
タイのチュラロンコン大学は2019年に入り、国内大手通信会社Trueと共同で、次世代のネットワーク技術である「5G通信」開発促進のための研究センターを設立することを発表しました。5G通信では、現行のネットワーク技術(4G通信)の約100倍の速度での通信が可能とされ、その実用化は、AIやIoTを産業界に実践導入するうえで必要不可欠といわれています。 
一方ベトナムでは、ドイツ政府の協力で推進している職業教育改革”Reform of TVET in Viet Nam”の一環として、ドイツの企業とベトナムの職業教育機関を巻き込み、第4次産業革命を担う人材を育成するための教育モジュールの開発を進めています。

以上のような取組を通して輩出される人材が、今後ASEANの経済発展をいかに導いていくか、期待したいところです。

(文責: T・H)

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