韓国:韓国教育部と法務部が2025年「教育国際化力量認証制に基づく認証審査」及び 「外国人留学生誘致・管理実態調査」の結果を発表

韓国では、外国人留学生の増加を背景に、大学の国際化推進と外国人留学生の適切な管理を目的として、2012年以降、教育部及び法務部が共同で「教育国際化力量認証制に基づく認証審査(以下、教育国際化力量認証審査)」及び「外国人留学生誘致・管理実態調査」を毎年実施している。

2026年2月13日、教育部長官と法務部長官は2025年に実施した教育国際化力量認証審査及び外国人留学生誘致・管理実態調査の結果を発表した。2025年の教育国際化力量認証審査では、学位課程181校、語学研修課程123校が所定の基準を満たしているとして認証され、そのうち39校が優秀認証大学として認定された。一方、外国人留学生誘致・管理実態調査の結果、留学生の受入れ及び管理に関する所定の基準を満たしていないと判断された学位課程16校及び語学研修課程4校が「ビザ審査強化大学(ビザ精密審査大学)」(以下、「ビザ精密審査大学」)※1に指定され、2026年度の2学期から1年間、留学生に対するビザ発給に制限が課せられる。

※1 ビザ審査強化大学には、原則として1年間のビザ発給制限が課される「ビザ精密審査大学」とビザ発給に際してより厳格な審査が行われる「コンサルティング大学」の2つの区分がある。2025年の調査における「コンサルティング大学」の指定大学数については、後掲の「外国人留学生誘致・管理実態調査(2025年の審査結果)」を参照。

韓国の近年の留学生政策

韓国では、2023年8月に、留学生誘致政策「Study Korea 300k Project」(参考:本サイト2023/11/9投稿記事)が策定され、2027年までに年間の外国人留学生数30万人の達成を目指す計画を進めている。2025年9月に教育部が公表した「留学生教育の競争力向上策に関する年次点検の結果」によれば、2025年の外国人留学生数は前年比21.3%増の25万3千人に達している。

留学生数の増加を受け、教育部と法務部は、留学生の韓国語能力基準の強化、学業及び生活支援を通じた安定的な定着の促進、不適切な留学生誘致・管理を行う大学に対するペナルティの強化※2、さらに社会統合を踏まえた留学生の出身国の多様性の確保などを通じて、留学生管理の質的水準を体系的に向上させていく方針を示している。

※2 出入国管理法違反など、留学生の受入・管理に不備がある大学には、最長3年間のビザ発給制限等のペナルティが可能となる(従来は1年間)。

審査・調査結果及び制度の概要

教育国際化力量認証審査及び外国人留学生誘致・管理実態調査の結果及び制度の概要は以下の通り。

教育国際化力量認証審査

■ 2025年の審査結果

2025年の教育国際化力量認証審査では、学位課程は186校が申請し181校が、語学研修課程は127校が申請し123校が認証された。申請校数は前年より計38校増加しており、教育部は、その要因として、大学における外国人留学生誘致の必要性の高まりに加え、第4周期における評価指標の簡素化・合理化を挙げている。

認証された大学一覧は、教育部の発表資料及び教育部が運営するウェブサイト「Study in Korea」で確認できる。なお、申請したが、認証を取得できなかった大学の名称は公表されていない。

教育国際化力量認証制の概要

教育国際化力量認証制(参考:本サイト 2021年3月24日投稿記事)は、留学生の受入れ体制や実態等の大学の国際化に関する取組を評価し、大学の国際化推進と適切な留学生管理を目的として、2011年※3に導入された制度である(受審は任意)。制度開始以来、評価領域や指標の見直しを重ねながら第2周期(2016~2019年)、第3周期(2020~2023年)が実施されてきた。2025年に開始した第4周期(2025~2028年)では、指標数の削減によって大学の負担軽減が図られた。また、第3周期まで共通であった大学と専門大学※4の審査基準が分離され、専門大学の特性を反映した新たな指標が設けられたほか、韓国語能力に関する基準も強化された。

認証された機関は、教育部が運営するウェブサイト「Study in Korea」に掲載されるとともに、留学生に対するビザの審査、奨学金、留学フェア参加等において優遇措置が与えられる。2025年「教育国際化力量認証制」で認証された大学の認証期間は4年間(2026年3月~2030年2月)であり、この期間中も毎年モニタリングが実施され、基準を満たさなくなった場合は認証が取り消される。

学位課程と語学研修課程の2つに分けてそれぞれ異なる審査基準が設けられている。
基本要件(不法滞在率の基準以下)を満たし、且つ、全ての領域で所定の基準を満たす場合、認証される。

※3 2011年に「試行」として導入され、2012年から本格実施となった。第1周期では制度名称が「外国人留学生受入れ・管理力量認証制」であったが、第2周期からは名称が「教育国際化力量認証制(IEQAS)」へと改められた。
※4 専門大学は、社会の各分野に関する専門的な知識と理論を研究・教授し、学生の能力を伸ばすことを通じて、国及び社会の発展に必要な専門職業人を養成することを目的として設置される、修業年限2~3年の高等教育機関。
※5 評価年度4月1日現在の学位課程に在籍する留学生における直近1年間の不法滞在発生率。在籍留学生数が1,000人未満の場合2%未満、1,000人以上の場合は1%未満となる。
※6 正規授業料に対する留学生の実支払額の割合が80%以上であることを基準とする指標であり、過度な授業料減免による留学生誘致が行われていないかを確認するためのものと考えられる。

外国人留学生誘致・管理実態調査

2025年の審査結果

2025年の外国人留学生誘致・管理実態調査の結果、学位課程において16校(調査対象数163校)、語学研修課程において4校(調査対象数は非公表)が、2026年度2学期から1年間、留学生に対するビザ発給に制限が課される「ビザ精密審査大学」に指定された。これら「ビザ精密審査大学」の一覧は、教育部の発表資料において公表されている。

またこのほか、学位課程において13校が、留学生の学力や経費支弁能力、不法就労の可能性等について、ビザ発給に際してより厳格な審査が行われる「ビザ審査強化大学(コンサルティング大学)」に指定された(指定大学名及び語学研修課程での指定件数は非公表)

外国人留学生誘致・管理実態調査の概要

外国人留学生誘致・管理実態調査は、教育国際化力量認証制で認証された大学を除き、外国人留学生が1名以上在籍する大学を対象に毎年実施される調査であり、対象大学にとっては事実上義務づけられた調査である。本調査は、大学における外国人留学生の受入及び管理体制を点検し、留学生管理に対する大学の責任を強化することを目的としている。基準を満たさない大学には、当概大学への留学生に対するビザ審査の強化やビザ発給制限といった措置が課される。

学位課程と語学研修課程の2つに分けてそれぞれ異なる審査基準(基準未達となる閾値)が設けられている。

※7 この指標においては、韓国語能力の基準(TOPIKの級等)が明記されていない。

原典:教育部(韓国語)

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