外国の学歴証明書を審査するときの大原則と4つのポイントーWES白書

原典:WES(英語)

米国で外国の資格・学位の認証をしているWES (World Education Services)は、資格・学位の証明書を取り寄せ、審査する際の注意事項をまとめた白書「How to Obtain Authentic International Academic Credentials」をウェブサイト上で公開した。この白書は、証明書の真正性を求めるために、日常行っている作業をもとに作成されている。

白書では、証明書の審査にあたり、公式な証明書をもとにした審査を行うことを大原則とするよう呼びかけている。WESでは、公式な証明書とは、証明書の発行機関から審査者へ直接送付された、公式に署名および厳封されたものを指す、としている。
そして、受け取った証明書を審査するポイントとして、次の4点が挙げられている。

①教育機関は存在するか?
証明書を発行した教育機関の存在/合法性を調べる。各国教育省やアクレディテーション機関のウェブサイトや、International Handbook of UniversitiesまたはCommonwealth Universities Yearbookなどを参考にする。非大学の高等教育機関は、調査に時間がかかる場合があるので注意が必要
②教育機関は正式な認可を受けているか?
米国では認可を受けた機関が発行した証明書のみ、進学や編入審査の対象となる。特に私立の教育機関には、国ごとで扱いが異なるので注意が必要(下記の例参照)。また、最近はオンラインの遠隔教育受講者が急増している

  • インドー私立機関は教育提供はできるが”university”を名乗れない
  • 世界中(特に東、東南アジア)-その国の認可は受けていないが、外国の大学による教育を提供する私立教育機関がある。学位は外国の大学が認定もしくは授与
  • フランスー私立大学は教育課程は提供できるが、学位は授与できない
  • パリ・アメリカ大学―フランスに設置されているが、米国の地域アクレディテーションを受けている
  • メキシコー特定の教育課程と学位のアクレディテーションはあるが、教育機関そのものは認可されていない
  • 欧州旧共産圏―最近になって認可された教育機関が、認可以前から学位を授与している
③実際にその教育課程は行われていたか?
前述①のソースなどを頼りに、申請者が学んだ(と主張する)教育課程が、実際に行われたものであったかを確認。最新の情報が得られるように、情報ソースの更新が不可欠
④学習歴の照合
申請者の年齢と学習歴の一致を確認

一方、発行機関からの証明書の直接送付が難しい場合には、申請者から送られてきた証明書を発行機関に事実確認(verification)してもらうよう勧めている。特に、下記の事項に1つでも当てはまる場合には、発行機関への事実確認が済むまでは書類を受理すべきでないとしている。

  • 成績が、その制度の一般的な分布に比べて、異様に高い
  • その機関/教育制度から発行される文書としては、様式が不自然である
  • 文書のフォントが一様でない
  • 機密扱いの文書にも関わらず、申請者によって提出された
  • カラーコピーの文書である
  • 文章、語句、数字などの改変が疑われる
  • 文章、語句、数字などが、修正用文具により消されている
  • 文書に署名がない/封がされていない
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