評価の相互認定実現に向けて議論 欧州セミナー

出典:NVAO

オランダ・フランダースアクレディテーション機構(NVAO)と欧州高等教育アクレディテーション協会(ECA)は12月3日にセミナーを共催し、共同教育プログラムの質保証を各国が連携して行う「欧州アプローチ」実現に向けた課題が話し合われた。

2014年10月に公表(本サイト2015/1/13掲載記事)された「共同教育プログラムの質保証に関する欧州アプローチ」では、欧州高等教育圏(EHEA)内の複数国の高等教育機関が参加する教育プログラムに対して、一度の第三者評価で関係国すべての適格認定要件を充たすための具体的措置が掲載されている。今年の5月には、欧州高等教育圏教育大臣会合にて本文書は採択(本サイト2015/6/17掲載記事)され、EHEA加盟47ヶ国が「欧州アプローチ」実現に向け国内環境を整備することに合意した。すでにドイツではアクレディテーション協議会(GAC)が本アプローチを活用するため、国内の評価制度を変更している。

しかしながら、今回のセミナーでは「欧州アプローチ」の幅広い普及には様々な課題があることが示された。発表者の1人Mark Frederiks氏(ECA/NVAO)によると、現在のところ下記の4つの課題の解決が求められているという。

 

高等教育関係者への認知度の低さ

  • 高等教育機関、学生、雇用主は「欧州アプローチ」の存在を知らない
  • 質保証機関は存在は知っているが、共同プログラムに対してこの方法を提示できる状況にない
  • 教育担当省に「欧州アプローチ」推進の期待ができるか?

「欧州アプローチ」の適用対象プログラムに関する情報のなさ

  • 共同プログラムの数と授与している学位の種類に関する信頼のおけるデータがない
  • 各国・関係機関のデータベースは共同プログラムの種類を区別していない

法的適合性と国家による認可との兼ね合い

  • 多くの国では法改正が必要
  • 国による助成判断のため、国別の評価項目は残る可能性あり
  • 各国の評価項目は相反することも多い

運営上の課題

  • 評価する機関を選ぶのは誰か、その基準はどうするか
  • 質保証機関は手数料を徴収できるのか
  • 「欧州アプローチ」の6年という認定機関は受け入れられるのか
  • EHEA外の国はどうすればいいか

 

「欧州アプローチ」に基いた評価活動は現在のところ実績がない中、上記の課題からは各国の制度改革や統一した情報収集がまずは必要であるとの印象を受ける。セミナーでは他にも実現へ向けた課題が指摘された。今後の関係機関の動き、ならびに「欧州アプローチ」に基く評価の実行には注目したい。

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