韓国教育部が2016年高等教育政策の方針を示す

原典:Education issues set for bumpy year in 2016(英語)
参照:Ministry to reduce funding for 66 colleges(英語)

韓国教育部は、2016年の高等教育政策を同年1月に発表した。

【PRIMEプロジェクト】
韓国では近年、高学歴の若者の失業率の高さが問題となっており、それに伴い、産業界と大学教育のミスマッチ解消について議論が行われてきた。2015年12月に韓国雇用労働部が発表した報告では、産業界のニーズに照らし合わせると、今後10年で4年制大学の社会科学・教育・人文科学分野で438,000人の余剰が生じ、その一方で工学・医学分野では255,000人の不足が生じるであろうという予測が示された。
2016年の新規事業となるProgram for Industry Needs-Matched Education(PRIME)プロジェクトは、大学の自律的な改善を通して、このような産業界の需要と大学定員のミスマッチを解消させることを目的に19の大学を選定し、3年間にわたり総額6000億ウォン(2016年3月時点で約570億円)を助成する予定である。韓国教育部(以下、教育部)は、このPRIMEプロジェクトにより、2020年までに工学分野の学生を20,000人増やすことが可能となると述べている。

【大学構造改革】
教育部は、2022年までに学生の定員を160,000人削減する※1という政府主導の大学構造改革※2についても言及した。現在、関連法案の国会審議が止まっているものの、改革を拒否する大学に対して予算を削減することは可能であるとし、改革を推進していく姿勢を明確にした。

【大学側の反応】
大学側は、PRIMEプロジェクトや大学の規模縮小が義務であるかどうかに関らず、教育部が学費の増額を制限している状況にあるため、大学運営にとって政府からの財政支援は極めて重要であるとしている。
ソウル・京畿道にある大学(ソウル国立大学校や慶熙大学校等を含む)の学生団体は反対集会を開き、「教育部は若者の失業率の原因を大学や学生に押し付けているが、教育政策の失敗による不利益を被ってきたのは、われわれ学生である」と述べている。

※1韓国では少子化により学齢人口の減少が進んでおり、2023年には大学の定員割れが16万人に達するとの見通しが立てられている。
※22015年8月に教育部より発表。教育部が行った構造改革評価の結果に従って、各大学はA~Eにランク付けされ、ランクに応じて政府からの財政支援や定員等が削減される。教育部は、Aランク以外の大学の定員については強制的に削減すること目指しており、議論を呼んでいる。

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