欧州学生連合による学生の質保証評価者リスト作成の取組み

  • ボローニャ・プロセス開始以来、特に2005年の欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン(ESG)が採択されて以降、欧州では学生が大学等の評価活動に参画する機会は増加しているが、国によって参画の程度が異なる等、未だ課題が残る。
  • 本稿では、欧州学生連合(ESU)が運営している学生の質保証評価者リスト(ESU Quality Assurance Student Experts’ Pool)について紹介。
  • 学生評価者は欧州各地から、地域性や男女比等のバランスを見ながら選考される。

 

ESUでは、学生による質保証への関与促進や欧州高等教育圏(EHEA)における高等教育の改善に貢献するため、2009年に学生の質保証評価者リストの作成を開始した。この動きは、ESUが欧州の質保証機関の重要なパートナーとなることや欧州の質保証政策の発展に資することを目的としている。設立以降、ESUは、これまで所属する100名以上の学生評価者を国際的な外部評価者として推薦してきた。これにより学生評価者は、EUA(欧州大学協会)が行う機関別評価プログラムのほか、欧州質保証協会(ENQA)や欧州質保証登録簿(EQAR)の会員登録のための外部レビューに携わっている。

学生評価者が得られる利益として、欧州高等教育制度やボローニャ・プロセス等の欧州全体の質保証に関する政策策定について学習できるほか、プログラム評価や機関別評価をはじめとする、国または国際的な質保証プロセスへの参画機会等を得られることが挙げられる。また、リストに掲載されている学生評価者向けに特別に考案された評価者研修に参加することが出来る。

一方、学生評価者が担う役割及び責任として、質保証や学生参画に関するトピックに関する議論へ参加することや、質保証評価者リストを広報することなどが求められる。

今回ESUは、2018年6月30日までを登録期間とする学生評価者として40名の学生の募集を開始した。

学生評価者の選考

学生評価者の選考プロセスにおいて、国・地域や専攻分野、学年、高等教育機関の種類や性別など、評価者の構成バランスが重視される。
選考基準
・高等教育機関に学生として登録されており、休学等をしていない者。
ただし、卒業生であっても、在学期間中からリストに掲載されており、卒業後1年を経過しない者、かつ再選考を通過した者に限り、継続してリストに掲載することが出来る。
・学生代表の経験がある者。
・質保証業務手順に沿う意思、及び必要に応じた時間を確保する意思のある者。
・英語が特に堪能である者。
選考に有利となる基準
・ESUの会員または国の公式認定を受けている学生連合から推薦された者。
・高等教育における質保証活動の経験者。特にレビューまたはレビューに類似した活動に参加した経験がある者。
・英語以外の言語を平均以上操る能力がある者。

申請手続き

インターネットの申請フォームにより応募する。申請フォームには、質保証評価者になることへの動機や学生代表となった経験等を記述式で回答する項目や、質保証活動における経験や知識について5段階でチェックする項目のほか、CEFRのレベルを記入する項目等がある。なお、選考を通った学生には、写真や簡易履歴書の提出が求められる。

※CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠:Common European Framework of Reference for Languages)とは、EC(欧州委員会)によって2001年に開発された、言語の熟達度を測る基準のこと。現在では、38の言語に対応した国際的な基準があり、レベルはA1~C3まで分かれて設定されている。

原典:ESU(英語)

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