TEQSA(オーストラリア高等教育質・基準機構)は、2016年度(2016年7月から2017年6月)において、機関登録18件、機関再登録25件、コース・アクレディテーション(新規)184件、コース・アクレディテーション(更新)125件等、374件の審査を実施した。
(2015年度から288件の審査持ち越しがあり、294件の申請を新たに受け、374件が完了した。翌年度への審査持ち越しは、208件となっている。)
オーストラリアにおいては、正規の高等教育機関として認定されるためには、TEQSAにより高等教育機関として全国登録簿(National Register)に登録され、定期的にTEQSAによる審査を受けることが法律で定められている。TEQSAは、高等教育機関の機関登録やコース・アクレディテーションの際に、各機関やコースが、高等教育基準枠組(Higher Education Standards Framework)に定められている基準を満たしているかについて審査を行う。審査の結果、基準を十分満たしていると判断された機関及びコースについては、最長7年間の登録期間が与えられるが、基準を満たしていないと判断された場合には、条件付き登録または登録不可となる。条件付き登録では、改善要求や認定期間の短縮が行われる。
機関登録においては、登録が認められた申請は4件、登録不可は4件で、10件の申請は審査の過程で取り下げなどが行われた。登録不可の決定を受けた4件のうち2件は、行政不服審査の手続きに進んでいる。また、機関再登録においては、56%(25件中14件)が最長である7年の登録を認められた。
(出典:Annual Report 2016-2017,TEQSA)
条件付き登録
条件付き登録の具体的な審査結果について、TEQSAの全国登録簿に掲載されている情報から条件の例を示す。
Navitas Bundoora Pty Ltd(2016年12月15日付け、機関再登録、登録機関7年)
条件:2017年6月30日までに、測定可能なKPI(Key Performance Indicators)、特に学生の成果やフィードバックに関するKPIを定め、機関の戦略計画の見直しのための根拠をTEQSAに提出する。
また、改定された戦略計画が承認されたことを示す議事録、戦略計画が機関内外のステークホルダーに周知されたことを示す根拠をTEQSAに提出する。
Christian Heritage College(2017年6月23日付け、コース・アクレディテーション(更新)、Master of Counselling、Bachelor of Counselling、登録期間7年)
条件:2017年11月30日までに、評価委員の助言に基づいて改定した、学士課程及び修士課程の概要、学習成果、オーストラリア資格枠組(AQF)に沿った評価方法などに関する報告書をTEQSAに提出する。
評価委員(External Experts)の関与
2016年度においては、191件の審査に109名の評価委員が関与した。TEQSAでは、職員が審査を実施しており、必要に応じて外部の専門家である評価委員に対して、各高等教育機関の教育プログラムの専門的な事項等について助言を求めている。評価委員は助言を与えるが、審査の結果に直接関与することはない。
※当機構が実施する認証評価は、ピア・レビューを中心としており、国・公・私立大学の関係者及び社会、経済、文化等各方面の有識者からなる評価委員により評価を実施している。
原典:Annual Report 2016-2017,TEQSA(英語)
原典:National Register,TEQSA(英語)