2017年12月28日、教育部学位与研究生教育発展中心(CDGDC)が、博士・修士の学位授与権を有する機関を対象とした、第4サイクル学科(分野別)評価の結果を発表した。
今回の評価では、国が定めた「学科一覧」※1に記載されている110の学科(学問分野、原語:一级学科)の内、軍事関係の学科を除く95の学科について評価を行った。(任意受審で参加費は不要)
2002年の第1サイクルの学科評価から、十数年間にわたる改善を経て今回は、各大学の大学院教育において、人材育成計画、コース体系、学生の質、卒業後のキャリアパスなどが、定められた人材育成目標に適っているかを審査し、それぞれの学科の内部発展の成果と度合に重点をおいた評価を行った。
学科評価は回を重ねるごとに受審数が増加しており、今回は513機関 7,449学科が受審した(前回に比べ76%増)。
※1当機構の中国質保証概要のP.21参照
今回の学科評価では、従来行われていたランキング形式の発表は廃止し、以下の表のとおり上位70%の学科を9つに格付けをして発表している。
格付け | 学科の割合 |
A+ | 上位2%もしくは、1位と2位 |
A | 2%~5%(2%は含まない、以下同様) |
A- | 5%~10% |
B+ | 10%~20% |
B | 20%~30% |
B- | 30%~40% |
C+ | 40%~50% |
C | 50%~60% |
C- | 60%~70% |
中国では、民間機関によるランキングが盛んであり、中には利益のみを追求し、公正さを欠くランキングも横行している。そのような中で、教育部の直属機関であるCDGDCによるランキングは公平性のある物差しととらえられる反面、大学の学生募集を左右するなどの大きな影響力があると考えられ、大学はこの評価で良い結果を得るために、大きな資源投入を迫られる状態となっている。また、学術団体などからランキングの弊害を懸念する声も上がっていた。
ランキングを廃止した背景には、こうした個々の大学の順位に対する過度の注目を避け、評価の本来の目的である、各大学がそれぞれの強み、弱みを把握し、自己改善を促すということに主眼を置きたいという意図があった。
CDGDCは主に次の6つプロセスで学科評価を実施した。
プロセス | ||
1 | 情報収集 |
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2 | 情報の検証 |
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3 | 定性的評価 |
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4 | ウェイトの設定 |
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5 | 評価結果の決定 | |
6 | 結果発表 |
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なお、評価結果の一覧表は、CDGDCのサイトで閲覧可能。
原典:CDGDC