ベルギー、オランダ、ルクセンブルグが資格の自動認証に合意
準学士から博士まで、すべての段階の学位が対象
欧州全域での自動認証-2020年までの完了目指す
ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ各国の高等教育担当大臣は、2018年1月25日に3国間の博士と準学士相当の資格を自動認証することに合意した。この3国は2015年に学士と修士に関する同様の合意を結んでおり(本サイト2015年1月9日掲載記事)、これですべてのレベルの学位が個別の審査を経ずに同等と認められることとなった。
また、オランダのHet Parool紙の報道では、ベネルクス各国は職業教育修了資格も自動認証を目指し協議しており、さらに人材の流動性が高まることが期待されている。
資格の自動認証は国同士の合意に基づいて実施され、資格のレベル、質、取得に必要な作業量(workload)が同程度であることが担保される。その結果、自動認証を認め合っている国の間を移動する際には、これまでより簡素な手続きでの留学や就労が可能になる。
国境を越えた往来が多い国同士では、資格の自動認証によって留学生、労働者、移民の受け入れにかかる審査時間や職員の労力が軽減されるメリットがある。そのため、歴史的に交流が盛んな北欧諸国は、自らが「自動認証のパイオニア」となることを標榜した改訂レイキャヴィーク宣言に合意しており(本サイト2016年12月16日掲載記事)、今後の計画の進展が見込まれている。
また、欧州を中心としたボローニャ・プロセスに参加する47ヵ国は、2020年までに相互の資格を自動認証する方針に合意している(本サイト2015年6月17日掲載記事)。さらに、このうちの6ヵ国は、自動認証の効果を実証するためのプロジェクトを実施した(本サイト2017年9月20日掲載記事)。
しかし、政府間で合意した相互の自動認証制度を確立している地域は、現在のところベネルクス3国内のみである。