ASEAN:SHAREプロジェクト、高等教育の国際化戦略―CLMV諸国

発展が著しいとされるASEAN地域であるが、その中でもCLMV諸国※1支援が必要な国として認識されており、高等教育分野でもこれらの国家を支援する取組みがある。
ASEANのSHAREプロジェクト※2の政策対話ではCLMV諸国が国際化によって得られる利益に焦点を置いて国際化戦略が議論され、国際化は国家のそれぞれの状況に依存するもので、国際化の進め方は国家によって異なるとの結論に至った。

ラオス国立大学のキャンパス内の様子

国際化への意識を高める要因と国際化を阻害するもの

  • 同諸国における共通の要因として、国際化を望む学生が増えていることや社会進出への準備としての国際化、私立の高等教育機関との競争といった経済的な要因がある。
  • 4か国で共通した優先的取組事項は、学生・教員の英語能力の向上、学生中心の教授と学習への移行、国際的なプログラムに対する質保証のプロセスの設立である。
  • 国際化を阻害する要因は語学力の欠如、制度や環境の不備による技能・専門性の欠如、職員の離職率、現代のニーズに合っていないカリキュラムなどがあげられる。

CLMV諸国の政策者への提言

  1. ASEANやSHAREプロジェクトの協力を得つつ、国家レベルでの優先すべき事項を設けること。
  2. 学生移動が機能するためには、省庁を越えた移民政策が必要であり、目的に応じた学生ビザ制度の設立が求められている。また留学生にとって好ましい環境は学生移動を促進する。
  3. 英語でのプログラム提供を促進するインセンティブを提供する。研究成果を英語に翻訳することによって、国際的に論文の引用率を高めることができる。
  4. 質保証は重要である。資格の相互認証には国家間の公式・非公式の信頼関係が重要である。
  5. ASEAN地域内での単位移行を認めること。
  6. 段階的に国際化を進めることが望ましい。大学ごとに取り組むことのできる範囲があり、国はそれに応じた介入が求められる。

CLMV諸国にある大学への政策提言

  1. 国際化はそれぞれの大学内で目標を設定して取り組むものであるということを理解すること。
  2. 国際化は大学の国際的な部局のみが担うものではなく、大学全体で取り組むべきものである。
  3. 教員・生徒間で語学能力を発展させるための支援体制を確立すること。留学生が留学先の現地語と文化を習得するにあたって、大学はそれを支援すること。
  4. 国際的な能力や特性を雇用において考慮することで、他機関とのMoU締結や助成を受ける機会につながるような、国際的な結びつきを得ること。
  5. CLMV諸国内の雇用主の需要に応えるため、産業界と緊密に連携すること。

ASEANへの政策提言

  1. ASEANの学生移動計画に統一性を持たせ、強化すること。
  2. 地域的な質保証と資格枠組の更なる発展を目指すこと。
  3. ASEAN域内外での留学生を増やすために単位移行制度の更なる発展を目指すこと。
  4. CLMV諸国で学ぶ留学生を増やすこと。
  5. 高等教育の国際化を支援するためにASEAN主要6か国とCLMV諸国間でのメンタープログラムを発展させること。
  6. 同地域における研究分野での連携を促進すべく、研究者の国家間移動を支援するための制度を発展させること。ASEAN地域の優先事項に基づく国家間連携への助成を目的とした研究会議(の設置)を検討すること。
  7. CLMV諸国の大学がSHAREプロジェクトやその他の活動に参加し続けることができるようにすること。

1 CLMV諸国:メコン川流域の国家でカンボジア(C)、ラオス(L)、ミャンマー(M)、ベトナム(V)を指す。ASEAN地域の中でも発展が遅れているとされる地域。
※2SHARE:European Union Support to Higher Education in ASEAN(「EU-ASEAN間の高等教育分野の連携プログラム」)

原典:SHARE POLICY BRIEF(英語)

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