2018年5月22日、欧州でDEQAR(Database of External Quality Assurance Results)と呼ばれる大学評価結果データベースが新たに誕生した。DEQARは「欧州高等教育圏における質保証の基準とガイドライン(ESG)」(NIAD-QE国際課まとめ)に基づき質保証機関が高等教育機関に対して実施した外部評価結果のデータベースである。ESGに基づく外部評価を行っている質保証機関は、EQAR(欧州高等教育質保証機関登録簿)に登録されている。
DEQARはどのように利用するのか?
このデータベースは複数国の質保証機関による外部評価のデータを、一つのウェブサイトに集約しているため、外国にある高等教育機関がESGに基づく外部評価を受けているかどうかを確認したり、外国から外部評価の報告書を見つけることが簡単にできるようになる。
DEQARは以下のとおり、幅広い高等教育関係者に利用されることを想定している。
- ENIC-NARICセンター(外国資格・学習歴の認証にかかる情報センター)
- 高等教育機関の評価担当者
- 学生
- 質保証機関関係者
- 政府関係者
EQARに登録している機関のDEQARへの参加は任意であるため、DEQARではEQARに登録しているすべての質保証機関の評価結果が掲載されているわけではない。2018年5月22日現在、DEQARに参加している質保証機関は以下のとおりである。なお、今後参加機関数は増える見込みとなっている。
AQU(スペイン・カタルーニャ州)、ARACIS(ルーマニア)、ASHE(クロアチア)、
BAC(英国)、NVAO(ベルギー・フランダース地方のみ)、AAQ(スイス)、
FINEEC(フィンランド)、NCPA(ロシア)
EQARに登録されている質保証機関によって、ESGに基づく外部評価を受けた高等教育機関が対象となる。評価は機関別でもプログラム別でも構わない。
2018年6月7日現在、DEQARに登録されている高等教育機関は約420機関に及び、アルメニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、フィンランド、ガーナ、ギリシャ、カザフスタン、レバノン、モーリシャス、モンゴル、カタール、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、スペイン、スイス、タークス・カイコス諸島(イギリス領)、英国の高等教育機関が登録されている。ただし、現状ではこのうちのほとんどが、ベルギー(フランダース地方)、クロアチア、フィンランド、ルーマニア、スペイン(カタルーニャ州)の高等教育機関で占めている。
今後のスケジュール
なお、2018年5月に公開されたデータベースは試行段階のものであり、確定版は2018年10月に公開される予定となっている。