成長するASEAN諸国―TNEや遠隔教育など、高等教育分野の国際化の進展状況は?

ASEAN諸国の成長が著しい。高等教育分野においては、ASEAN域内での学生移動の増加が見られ、国境を越えた教育(TNE)の中継地点になっている国もある。

英国ブリティッシュカウンシルはASEAN諸国を対象に「高等教育の国際化」をテーマとした報告書「THE SHAPE OF GLOBAL HIGHER EDUCATION: UNDERSTANDING THE ASEAN REGION」を発行した。当報告書では、独自の指標「National Policies Framework」を用い、各国政府の国際化への関与度、質保証や外国資格審査、高等教育へのアクセスと持続可能性といった項目について、各国の状況を評価しており、ASEAN諸国における高等教育の国際化の現状を知る上で役に立つとしている。

報告書における特に着目すべきポイント

  • 質保証に関して、ASEAN諸国は既に発展している、もしくは発展段階にある。特に国境を越えた教育(TNE)の受け入れはASEAN域内における高等教育の発展に貢献しており、外国の高等教育機関が関係する分野における制度面の発展を促す役割を持っている。
  • 遠隔教育やオンライン教育に対処する必要性を認識している国もある。タイはこの点について特に積極的であり、遠隔教育を取り入れた学位プログラムの提供について、学生支援やプログラムの運営、教員などに関する規則が多数、制定されている。
  • カンボジア、マレーシア、ブルネイ、フィリピンは外国資格審査に関して、透明性を確保しようとする動きがみられると評価された。一方、国内で取得したTNEの資格の審査は、外国で取得した資格の審査に比べ、資格認証が進んでいないとの結果であった。
  • 労働市場や職業団体に対して、外国資格/TNEで取得した資格について、自国の資格との相当性に関する明確かつ最新の情報を提供できている国はない。ただし、マレーシアは学士と修士の学位に関して、公務員への採用との関係で、政府のウェブサイト上で外国資格に関する情報を提供している。
  • 海外高等教育機関がASEAN地域に参入するには、現地におけるパートナーとの連携が重要もしくは不可欠となっている。
  • シンガポールを除き、ほとんどのASEAN諸国では外国人学生の過多はあまり大きな問題となっていない。

ASEAN諸国における海外に留学した自国の学生数、自国にいる外国人学生数、就学率


「THE SHAPE OF GLOBAL HIGHER EDUCATION: UNDERSTANDING THE ASEAN REGION」p.8より引用

  • ラオス、ミャンマー、フィリピンでは、外国に留学する学生数が増加している。各国の増加率は、ラオスが550%、ミャンマー470%、フィリピン190%となっている。
  • 高等教育への就学率(Gross enrolment ratio)は5つの国で30%以上となっている(シンガポールについてはデータがない)。ただし、就学率が50%以上である国はタイのみとなっている。
  • 外国人学生数は、マレーシアでは単独で12万人であるのに対し、ブルネイとラオスは両国を合わせても1000人にも満たない。

ASEAN諸国における公立高等教育機関と私立高等教育機関の数


「THE SHAPE OF GLOBAL HIGHER EDUCATION: UNDERSTANDING THE ASEAN REGION」p.9より引用

  • 高等教育段階の就学率が上昇したことにより、各国の高等教育セクターは拡大傾向にある。
  • 私立の高等教育機関の増加が著しい。各国で高等教育機関の数は異なるものの、ASEAN域内において、私立の高等教育機関の存在は大きい。
  • アジアでは全体として学生の40%以上が私立の高等教育機関に入学している。

原典①: ブリティッシュカウンシル(英語)
原典②: ブリティッシュカウンシル(英語)

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