オーストラリア:大学の最新データが公開!外国人留学生による収益が増加

2018年8月20日、オーストラリアの質保証機関TEQSAは、同国の高等教育機関に関する統計レポート「Statistics Report on TEQSA Registered Higher Education Providers – August 2018」を公表した。今回のレポートは、2016年のデータを基に作成されている。留学生関係の分析に焦点を当てており、オーストラリアの高等教育機関における外国人学生数の増加及び、関係する収益の増加を明示した。

①高等教育機関数:176(2016年)

 

 

 

 

 


(出典:Statistics Report on TEQSA Registered Higher Education Providers – August 2018

  • 50%以上の高等教育機関が、高等教育と職業教育の両方を提供するデュアルセクターである。
  • 約80%の高等教育機関がCRICOS(留学生向け教育機関・コース政府登録制度)に登録している。CRICOSに登録されていない機関は、留学生を受け入れることができない。
  • 教員(academic staff)の総数は、2016年に前年比2%増加した。
  • Universities(大学・専門大学・海外大学)以外の高等教育機関が全高等教育機関数の76%を占める一方で、90%以上の学生がUniversitiesに在籍している。

②外国人学生数(オフショア教育も含む)について

オーストラリアの高等教育機関(オフショア教育も含む)で受け入れる外国人学生数(2016年)は、フルタイムで300,753人、全体では400,910人であった。オーストラリアは海外からの留学先として、アメリカ・イギリスに次いで世界で3番目に人気が高く、2位のイギリスに迫る勢いである。日本からも2016年度には9,472人(対前年比1,392人増)が留学している。
オーストラリアの外国人学生数(フルタイム)は、以下の表の通り年々増加しており、2016年には高等教育機関に所属する学生の約29%を、外国人学生が占めるようになった。
なお、日本の高等教育機関の受入留学生数(短期留学生を除く)は2017年5月1日現在、170,798人である(日本学生支援機構「平成29年度外国人留学生在籍状況調査結果」)。

※日本学生支援機構の「平成28年度協定等に基づく日本人学生留学状況調査結果」を参考。この調査でいう「留学」とは、海外の大学等における教育又は研究等の活動及び、学位取得を目的としなくても単位取得が可能な学習活動や、異文化体験・語学の実地修得、研究指導を受ける活動等、海外の教育機関(あるいはそれに付属する機関)と関連して行われる各種プログラムへの参加をいう。

オーストラリアの高等教育機関に在籍する国内学生・外国人学生の数(フルタイム)(2013-2016
(Domestic and overseas students (EFTSL), 2013-2016)

(出典:Statistics Report on TEQSA Registered Higher Education Providers – August 2018

③外国人学生による大学の収益について

オーストラリアの高等教育機関の収益(2017年)について、内訳は左図の通りとなっている。外国人学生関係は、70億オーストラリアドル(2018年9月11日現在 約5,560億円)であり、全体の19%を占める。

全ての高等教育機関において、外国人学生関係の収益が増加しており、Universities(大学・専門大学・海外大学)においては前年よりも17%増加している。


(出典:Statistics Report on TEQSA Registered Higher Education Providers – August 2018

④外国人学生の出身地及び専攻について

(出典:Statistics Report on TEQSA Registered Higher Education Providers – August 2018

2016年にオーストラリアの高等教育機関で学ぶ外国人学生の出身国トップ5は、中国(38%)、インド(16%)、ベトナム(6%)、ネパール(5%)、パキスタン(4%)であった。中国とインド出身の学生の数を合わせると、全外国人学生数の過半数を超える。

なお、外国人学生の約51%が商学(Management and Commerce)を専攻している。

原典①:TEQSA(英語)
原典②:TEQSA(英語)

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