インドの高等教育の質保証が加速か―UGCが認証評価機関の増加へ乗り出す

インドには現在、約52,500校の高等教育機関が存在し※1、1日に平均6校が設立される勢いで増加しているものの、高等教育機関を評価する機関はNational Assessment and Accreditation Council(NAAC)と工業系のプログラムを中心に質保証活動を行っているNational Board of Accreditation(NBA)の二機関のみであり※2、両機関に負担がかかるとともに、高等教育の質保証が追い付いていない状況※3である。

そうした中、インドの大学の研究や教育を監督するインド政府法定機関であるUniversity Grants Commission(UGC)は、2018年8月に認証評価機関(Assessment and Accrediting Agencies: AAAs)の増設を容認する声明を発表し、認証評価機関の登録基準や手続き、認証評価機関の監督に係る規制を設けた。
この規制の目的は、高等教育機関やプログラムの義務的な評価や評価機関が行う認証に関する枠組みを作り、政府や準政府団体、企業等による認証評価機関の設立を認めることにある。

認証評価機関の登録プロセスと高等教育機関側の認証評価受審の手続き

  • UGCが高等教育の質保証に関する専門家など10名を選定して、アクレディテーション勧告委員会(Accreditation Advisory Council: AAC)を設置し、AACが認証評価機関の選定を行う。
  • 認証評価機関としての登録を希望する機関は申請書をAACへ提出する。AACは提出された申請書を審査し、候補機関を選定の上、UGCに認証評価機関としての登録の勧告を行う。UGCは勧告に基づいて、認証評価機関を登録する。
  • 認証評価機関として登録された場合、登録期間は2年間である。登録の更新は3年ごとに行われる。
  • 高等教育機関は認証評価を受審する際、受審を希望する認証評価機関の候補を3つ挙げて、申請書を提出する。AACが関連事項を考慮の上、適切な認証評価機関を選定し、割り当てる。

1機関数:大学846校、カレッジ40,026校、その他11,669校(2018年3月APQN年次総会におけるJagannath Patil氏の発表「Paradigm Shift in Indian Higher Education Accreditation」より)
※2NAACはUGCの独立機関、NBAは工学系プログラムに関する委員会が設置した機関である。
※32016年度にアクレディテーションを受審した高等教育機関数:1,600校(2018年3月APQN年次総会におけるJagannath Patil氏の発表「Paradigm Shift in Indian Higher Education Accreditation」より) 

原典①:University Grants Commission(英語)
原典②:University Grants Commission(英語)
参考: The New Indian Express(英語)

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