日本の大学が指標別トップ25にランクインー「U-Multirank」大学の世界ランキング2019

※2020年9月28日、最新の情報に更新しました。

2019年6月4日、大学の多元的世界ランキング「U-Multirank」の2019年版が公開された。2014年に公開が始まって6回目のランキングとなる今回は、96か国、1,711の高等教育機関が参加した(2018年公開の前回比1か国増・97校増)。日本からは36大学が参加しており、「Top Performing Universities」(U-Multirankが選んだ10の各指標の上位25大学)に、日本の大学がランクインした。

U-Multirankとは

U-Multirank は、2014年に欧州委員会のプロジェクトとして始動し、現在はエラスムス・プラスなどから資金助成を受けて運営されている。順位表形式ではなく、多元性と利用者本位のランキングーすなわち、「研究、教育・学習、地域貢献、知識移転、国際性」の5つの領域から高等教育機関の業績を評価し、機関全体と学問分野別のランキングを提供することで、多様な利用者のニーズを考慮したランキングとなっている点が特徴的である。(参考:「高等教育機関の多元的世界ランキング「U-Multirank」について」(平成26年10月、NIAD-UE国際課))

各大学の結果は、5つの領域の主要項目ごとに「A (very good)」から「E(weak)」の5段階で評定が付され、サンバースト図で表される。全体のランキングは、「研究」や「教育・学習」といった次元別、化学工学や生物学といった学問分野別、あるいは国・地域別で閲覧することができる。

ランキングの総括

今回の特徴として、在学生に占める留学生や外国人教員の割合が高く、国際共著論文数が多いといった国際性の高い大学は、国際交流が活発でない大学に比べて、知識移転、研究のインパクト、教育の各領域でより高い業績を上げている傾向がみられた。U-Multirankではこうした大学を「Open border universities」と呼び、以下の大学をトップ大学の例として紹介している。

  • 「知識移転」…テレコム・パリテック(フランス)、グルノーブル経営学院(フランス)
  • 「企業との共同研究による論文」…ルイス・ギド・カルリ大学(イタリア)、レオベン鉱山大学(オーストリア)
  • 「特許数(学生千人当たり)」…デンマーク工科大学
  • 「高被引用論文」…ロックフェラー大学(米国)、マサチューセッツ工科大学(米国)、スイス連邦工科大学

日本の状況

U-Multirankが選んだ10の各指標の上位25大学は「Top Performing Universities」として紹介されている。日本の大学は、「研究論文数(絶対数)」、「企業との共同研究による論文」、「特許数(学生千人当たり)」の3つの指標で、下記の大学がランクインした。下線の大学は前回(2018年版)に引き続き、同指標で上位25大学にランクインしている。

□「Co-publications with industrial partners」(企業との共同研究による論文)
名古屋工業大学横浜国立大学近畿大学東京農工大学

□「Research publications (absolute numbers)」(研究論文数(絶対数))
東京大学

□「Patent awarded (size-normalized)」(特許数(学生千人当たり))
東北大学

原典:U-Multirank(英語)

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