英国TEF2019が金銀銅で大学・カレッジを格付けー次回から分野別評価

 2019年6月19日、イギリスの学生局(OfS:Office for Students)は、 TEF導入4年目となる 2018-19年度(TEF 2019)の機関別TEF(Teaching Excellence and Student Outcomes Framework:教育卓越性・学習成果評価枠組)で78の高等教育機関がTEFの称号を獲得したと発表した。これまでTEFは機関別(provider-level)評価のみを行ってきたが、次回からは分野別(subject-level)評価を導入することが決定し、制度の見直しが行われている。

TEFとは?

 TEFはイングランドを中心とする制度で、国の質要件を満たしていることを前提に各高等教育機関の教育と学生が得られる成果の卓越性の評価を行う。TEFの受審は、学生局(OfS)の高等教育機関登録簿(当サイト2018/9/11掲載記事)の登録要件の一つとなっている※1

 TEFでは評価結果をもとに高等教育機関を上から金、銀、銅の順に格付けするか、条件付きTEFの称号(当該高等教育機関のデータが不十分であった場合)を付与する。TEFの称号の有効期間は1~3年であり、各高等教育機関が用意できたデータの年数で期間の長さが決定する。

 評価結果は学生が進学先を決定する際に参照されているほか、イングランドではTEFの称号を獲得した高等教育機関は授業料の上限額が通常の上限額(9,000ポンド/年)よりも250ポンド高くなる。

TEF2019の結果

 2019年は78の高等教育機関がTEFの称号を獲得した(金9、銀25、銅30、条件付き14)。78機関のうち64機関は以前にもTEFの称号を獲得した経験があり、新規に獲得した機関は14機関のみである※2。なお、64機関のうち12機関は前回の格付け結果よりもランクアップし、4機関はランクダウンした。

 2017年と2018年に付与された称号で現在も有効なものを含めると、2019年6月現在計282機関がTEFの称号を保持している。内訳は、下記の表のとおり※3。機関ごとの詳しい評価結果は学生局のウェブサイトで公開されている。なお、TEF2018の評価結果の概要はこちら(当サイト2018/9/28掲載記事)

  条件付き 合計
機関数 76 132 60 14 282
(Office for Students「The Teaching Excellence and Student Outcomes Framework (TEF): A short guide to the awards」をもとに当機構で作成)

指標について

  TEFの評価者は、高等教育機関ごとにTEFの6つのメイン指標を測定し、格付けの判定を決める。以下の表は、メイン指標及び、各指標における高等教育機関全体の平均値(2019年、フルタイムの学生のみを対象)を示している。指標を測定する際には、公的なデータ、補足データ(可能な場合)、各高等教育機関からの追加提出物を用いる。

(Office for Students「The Teaching Excellence and Student Outcomes Framework (TEF): A short guide to the awards」をもとに当機構で作成)

次回TEFに向けた変更点

1)分野別評価を正式に導入

 2019年まで機関別(provider-level)評価のみを行ってきたTEFであるが、次回からは分野別(subject-level)評価が導入される。学問分野ごとに高等教育機関の比較を可能にする新制度は、専攻分野を決めてから進学先を決定することが一般的とされる受験生により有益な情報を提供できる。なお「分野」の定義は、英国高等教育統計機関(HESA)が公表しているCommon Aggregation Hierarchy(科目分野の集団を分類し体系化したもの) に基づくものになる。

 なお、TEFの分野別評価については学生局が2017-18年度と2018-19年度に試行版(当サイト2017/10/10投稿記事)を実施していた。この試行版で見出された課題等を反映した形で、次回から正式な分野別評価が実施される。

2)評価実施期間が2学年度に

 次回のTEFは、評価実施期間がこれまでの1学年度から2学年度へと伸び、2019-20年度と2020-21年度にわたって行われる。2020年初頭に申請が開始され、結果は2021年春に公開される予定である。

3)これまでに付与した称号の有効期間を変更

 英国教育省は、1回目の分野別評価の結果が公表される2021年までに、これまで機関別評価で付与したTEFの称号の有効期限が終了するよう調整することを決定した。これにより、今回のTEF2019で付与される称号の有効期間は2年となっている。また、2019-2020年度は評価の実施期間が2学年度になることから、2020年に有効期限が切れる称号(2017年に取得した3年間の称号、2018年に取得した2年間の称号)については、2021年まで有効期限が延長されることになった。

※1 学生局の規制枠組が本格的に始動する2019年8月1日以降、高等教育課程に500人以上の学生が在籍している登録機関はTEFの受審が必須となる。
※2 TEFの称号を取得したことのある64機関のうち、TEFの称号の有効期限が切れていた機関が47機関、有効期間内であった機関が17機関 であった。
※3 参加機関の20-30%が金、50-60%が銀、20%が銅となることが想定されている。ただし、この割合に配分することを理由に、各機関の判定結果が決まることはない。

原典①:学生局(英語)
原典②:学生局(英語)
原典③:学生局(英語)

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