香港:UGCを通じて公的資金が配分される全8機関に対する機関別評価(第3サイクル)が終了

2025年6月27日、香港特別行政区政府は、大学教育資助委員会(UGC:University Grants Committee)の管轄下に置かれる質素保証局(QAC:Quality Assurance Council)が嶺南大学の機関別評価報告書(Audit Report)を公表したと発表した。これにより、UGCを通じて公的資金が配分される8機関※1全てを対象とするQACによる第3サイクルの機関別評価(Quality Audit)が終了した。

全8機関の評価報告書は、QACのウェブサイト(Quality Audit-related Reports)から確認できる。

※1 UGCを通じて公的資金が配分される8機関は、香港城市大学、香港浸会大学、嶺南大学、香港中文大学、香港教育大学、香港理工大学、香港科技大学、香港大学。また、香港の高等教育機関の質保証システムの概況については、当機構ウェブサイト香港の高等教育・質保証の基本情報及び当機構作成「ブリーフィング資料:香港高等教育の質保証」(2015年) p.4-12を参照。

UGCを通じて公的資金が配分される8機関は自己適格認定機関(Self-Accredited Institutions)※2に指定されており、これら機関の質保証を所掌するQACは各教育機関が実施する教育プログラムの質の向上を支援する立場から、オーディット形式の評価※3が定期的に実施されている(香港資格枠組み(HKQF)ウェブサイトのQuality Assurance Mechanismを参照)。

※2 自己適格認定機関は、学術的な自律性と質保証能力が認められており、香港学術及職業資歴評審局(HKCAAVQ)による定期的なプログラム・アクレディテーションを受ける義務がなく、自身の組織で内部質保証の取組みを行うことが認められている。各機関における取組みは、こちらの8機関のリストからアクセスできる。
※3 オーディット形式の評価では、適合/不適合を提示するアクレディテーション形式の評価とは異なり、優れた取組みや改善点のためのアドバイス等のフィードバックを提示する。QACのオーディット評価は「目的適合性(fitness-for-purpose)アプローチ」を採用し、大学を一律に比較することはない。(What does a QAC audit mean for universities and students?
*「目的適合性アプローチ」では、大学が自ら掲げる役割や使命を果たすために適切な手続きが整備されているか、学術プログラムの質と学術的水準が確保されているかを確認する。(Quality Assurance Council Audit Manual Third Audit Cycle p.14)

以下では、QACによる8機関に対するオーディット形式の評価について、第1サイクル(2008~2011)、第2サイクル(2015~2017)、第3サイクル(2023~2025)※4の評価基準とポイントを概観する。

※4 各サイクルの期間については文書によって異なるため、各サイクルの1機関目の評価レポートが公表された年から8機関目の評価レポートが公表された年を1サイクルの期間とした。(Quality Audit-related Reports

第1サイクルでは、学科やプログラムレベルでの教育提供の維持、並びに高等教育資格の学術水準についての組織的な監督について、各機関が効果的な質保証システムを構築しているかどうかに焦点が当てられた。

第2サイクルでは、学生の学修成果と学修プログラムの確認を行い、学生の学修体験の質の向上とグローバルな取組みに焦点を当て、教育と学修の向上、高等教育の価値とその応用の改善による高等教育セクター全体の発展を重視した(Quality Assurance Council Audit Manual Third Audit Cycle p.2)。

第3サイクルでは、下表の評価基準(Audit Criteria)に焦点が当てられ、1~5の項目についてどの程度効果的に見直し・強化を行ったかが確認された。

出典:Quality Assurance Council Audit Manual Third Audit Cycle pp.20-23

●評価手順

  1. 各大学が評価基準に照らして自己評価書(Self-Evaluation Report)を作成し、根拠資料とともにQACへ提出
  2. QACの評価委員(Audit Panel Members)による書類審査
  3. 評価委員による訪問調査(Audit Visit)
  4. 評価委員が評価レポート(Audit Report)を作成
  5. 大学が評価レポートを確認
  6. QACとUGCが内容を議論・確認
  7. QACが最終承認(endorsement)した後、QACのウェブサイトに評価レポートを公表

●評価レポート公表後のフォローアップ

  1. 評価レポート公表後3か月以内に、受審大学は評価レポートの指摘事項に基づく行動計画をQACに提出
  2. QACが行動計画を確認
  3. 評価レポート公表後18か月以内に大学は進捗報告書(Progress Report)をQACに提出
  4. QACが内容を確認・最終承認した後、QACウェブサイトに進捗報告書※5を公表

※5 第3サイクルの進捗報告書は、今後、QACウェブサイトの各大学の評価報告書(Quality Audit-related Reports)のページに追加される見込み。

原典①:香港特別行政区政府(英語)
原典②:QAC(英語)

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