原典:英国政府(英語)
英国政府は、2011年の高等教育白書において、「大学」の名称を得るために必要な最小学生数を4,000人から1,000人に減らすことを提案し、2012年6月、この「大学」名称の使用に関する規制緩和を正式に発表した。
今般、芸術、農業や教員養成などの専門分野で学位を授与している10機関が、当該規制緩和による「大学」の名称を使用するための基準を満たしているとして、デービッド・ウィレット高等教育・科学担当大臣から枢密院に推奨されることになった。これは1992年以来、最大の大学創設につながる。枢密院に推奨されている申請機関は、次のとおり。
(機関名は現在の名称)
- The Arts University College at Bournemouth
- Bishop Grosseteste University College Lincoln
- Harper Adams University College
- Leeds Trinity University College
- Newman University College, Birmingham
- Norwich University College of the Arts
- Royal Agricultural College
- University College Birmingham
- University College Falmouth
- University College Plymouth St. Mark & St. John
※英国では、学位授与権の認可及び「大学」名称使用の承認は、枢密院が行う。
大学名称使用のための基準及びプロセス
基準
- 学位(taught degree【座学プログラムによる学位】)の授与権を有すること。
- 1,000人以上のフルタイムの在学生を有し、そのうち少なくとも750人は学位課程(ファンデーション学位(通常2年の修業を要する進学準備課程で授与)プログラムを含む)に在学してていること。また、フルタイムの学生数が、総学生数の55パーセントを超えていること。
- 当該セクターとしての良好なガバナンス原則(principles of good governanc)への配慮を証明できること。
プロセス
- 申請機関は、枢密院へ「大学」名称の申請を行う。新たな「大学」の名称について、申請機関は、利害関係者との協議を行ったうえで、既存名称を考慮し、大学名を決定することが求められる。
- 枢密院は、ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)からの助言を求める。BISは、基準に照らして機関の大学名称の適合性を評価する。
- BISは、学生数とガバナンスについてHEFCEからの助言を求める。HEFCEは、学生数については高等教育統計局(HESA)データの分析を通じて、またガバナンスについては、ガバナンス・プロセス、オーディット計画、戦略・財務管理計画、リスク管理プロセス、財務状況等の情報を参照し、BISに助言を行う。
- 機関が大学名称の基準を満たし、新大学名称の適合性が確認されたと所管大臣がみなした場合、BISは枢密院へ承認の依頼をする。
- 機関は枢密院により実際の名称が承認された場合に限り、大学の名称を使用することができる。