原典:欧州委員会(英語)
報告書:Improving the quality of teaching and learning in Europe’s higher education institutions(英語)
2012年9月に発足した高等教育改革のためのハイレベルグループ(本サイト2013/1/15投稿記事)(議長:メアリー・マッカリース前アイルランド大統領)は、2013年6月に第1弾の報告書を発表した。この報告書は、「欧州の高等教育機関における教学面の質向上」(Improving the quality of teaching and learning in Europe’s higher education institutions)について、各ステークホルダーとの会合を重ね、提言としてまとめられたもの。
16項目の提言
- 高等教育担当省庁による、教育機関の教学の質向上努力を支援するための枠組み作り
- 教育機関による、教学の質向上のための、人的・経済的資源投入と教育理念への反映
- 教育機関による、学生からのフィードバックの積極的活用
- 全ての教員の、(欧州委員会が)認める教育力研修(certified pedagogical training)の受講
(2020年までに達成) - 教授面のコンピテンシー審査の教員評価での活用
- 指導的立場にある者による、教学の質向上に多大な貢献をした教員への褒賞
- 雇用可能性促進のため、教職員、学生、卒業生、経済界らの対話を通じたカリキュラムの構築と運用
- 関係する全学部が参加しての、学習成果を元にした学生の活動評価
- 教育機関と政策立案者と学生による、学生の入学・進級・卒業支援のための制度構築
- 起業・イノベーション精神養成のための、教育機関による学術分野間連携・協力の導入と推進
- 教育機関による、全教員のデジタル化時代における技術開発支援
- 教育機関による、国際化戦略への全学的取組み
(モビリティ、カリキュラム、国際経験、語学力、課程と学位、連携に関するもの) - 欧州連合による本提言実現のための支援
- 欧州連合による欧州教学アカデミー(European Academy for Teaching and Learning)の設立
- 研究者の教育職能資格(professional teaching qualification)取得促進
- 加盟国による、下記3項目推進のための施策の優先的実施
(①教授技術向上②社会と経済界の需要を反映した課程構築③教育/経済/研究セクター間連携の強化)
今後、ハイレベルグループは2014年6月の第2弾報告書発表のための活動を始める。第2弾報告書は、質の高い教育提供のための新たな技術(ムークなど)の活用に関してまとめられる予定。