原典:欧州委員会(英語)
欧州委員会は、欧州政府、欧州理事会、欧州経済社会評議会、および地域委員会に向けて、高等教育質保証の進捗状況の報告書を作成、発表した。進捗状況の調査は2006年に欧州政府と同理事会の要望で始められ、2009年に第1弾報告書がまとめられている。
今回の報告書によると、各国で質保証のプロセスではなく内容を重視する傾向が見られており、また外部質保証の評価方法をプログラム別から機関別や混合型に切り替える動きも見られる。
各ステークホルダーに関して見られた傾向については下記の通り。
- 大学の質保証への学生参画は、学生代表やオブザーバーとしての参加に留まり、多様性が見えない
- 雇用者の外部質保証(第三者評価)への参画が見られる国は多いが、外部評価への参画は数える程度
- 大学の評価結果の公表は、10/28ヶ国が良い結果のみ公表
- 国内の大学のうち評価報告書を公表している大学が1/4に満たない国が16/28ヶ国に上る
- ESGが有用と答えた大学は、少ない(教員に対して有用―12%、学生や雇用者に有用―10%)
- 学生はESGのことを全く知らない(60%)かほとんど知らない(24%)
- 1/4の大学で教員用のスキル研修受講を必須にしている
- 卒業生の進学/就職状況を、大学助成の分配(4ヶ国)やアクレディテーション結果(6ヶ国)に反映させている国もある
- スペイン、イタリア、ノルウェーではムーク評価の検討を開始
- 10ヶ国でENQA(欧州質保証ネットワーク)正会員となっている質保証機関がいない状態
- EQAR※に登録されている質保証機関で、自国以外の大学を評価した経験を持つのは2/5に留まる
ESGを充たす質保証機関のみ登録が認められる、欧州の質保証機関のリスト