欧州各国の留学支援の評価を公表―EU Mobility Scoreboard

原典:欧州委員会(英語)

欧州各国における、高等教育の学生が外国で学習/訓練をするための支援を評価するEU Mobility Scoreboardが、2014年1月に初めて公表された。このプロジェクトはEU28加盟国とアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン、トルコでの学習の流動性を調査するために2011年にはじめられたもの。Eurydice Network※1によってまとめられた。次回は2015年に更新される予定。
今回の発表では、以下の5項目において各国の取組み状況が評価されている。各国は項目毎に、取組みの進捗度合いに応じたレベル別に振り分けられている。詳細は報告書を参照。

※1 Eurydice Network
欧州地域40ヶ国の教育制度・政策について情報提供や分析を行う。欧州委員会の教育・視聴覚・文化執行機関(EACEA)が運営している。

①留学に関する情報提供と支援

戦略的国家計画オンラインでの情報提供個人向けサービスへの公的支援、公的事業への利害関係者の参画の状況に加え、これらの項目が第三者の視点で考慮されているかによって評価。ドイツ、ベルギー、スペイン、フランス、イタリアが発達しており、ブルガリア、ギリシャ、スロベニア、キプロスで開発が遅れている。

②外国語教育

外国語教育が必須となる年数や、第2外国語教育の有無などによって評価。キプロス、ルクセンブルグ、ドイツ語圏ベルギーは外国語教育に力を入れている一方、アイルランド、スコットランド(英国)では外国語教育は義務化されていない。

③学資援助の留学での使用

外国での単位や学位取得のための学資援助制度と、国内での学習のための援助と比べた時の同等性や規制の有無を評価。留学する学生が国内に留まる学生と同様の学資援助を受けられるのは、オランダ、ドイツ語圏ベルギー、キプロス、ルクセンブルグ、スロベニア、フィンランド、スウェーデン。対して、フランス語圏ベルギー、ブルガリア、チェコ、ギリシャ、クロアチア、リトアニア、ルーマニア、スロバキアが最も規制が厳しい。

④外国での学習履歴の認定(ECTSやディプロマサプリメント(DS)の使用)

外国で取得した資格・学位が認定されるまでの時間、学習成果に基づいたECTSの使用、ディプロマサプリメントの適切な使用が、質保証機関によって評価されているかを判別。さらに、こうした制度に関する雇用者や卒業生への定期的な調査状況を評価。ドイツ、ベルギー、スペインでは欧州統一ツール(ECTS、DS)を積極的に導入している。それ以外の国ではそれほど関心は高くない。

⑤社会的弱者層からの留学参加支援

社会的弱者層の留学資金支援目的別財政支援状況、留学プログラムへの社会的弱者層の参加状況とその国家目標を評価。オランダ語圏ベルギー、ドイツ、イタリア、オーストリアは社会的弱者層からの留学のための財政支援、および社会的背景を考慮した流動性調査を実施している。

<Eurydiceの報告書をもとにNIAD-UE国際課が作成>

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