コンピテンスベース教育等に連邦奨学金を試験的配分

原典①:連邦教育省(英語)
原典②:Federal Register(英語)

連邦教育省は、2014年7月22日、高等教育のイノベーションを推進する試験的事業(Experimental Sites Initiative: ESI)に新たな4項目を追加することを発表した。今回追加されるのは、既習得学習の認定、コンピテンスベース教育※1、直接評価※2と単位時間制の併用課程、高校生への準個別(near-peer)カウンセラーとしてのFWSプログラム※3の活用の4項目である。この4項目は、2013年8月にオバマ大統領が発表した教育費適正化計画(本サイト2013年11月11日投稿記事)を受け、連邦教育省が高等教育関係者に対して教育のイノベーション事業に関する意見を募り、寄せられた中から採用されたものである。この事業への申請は同年9月29日締め切られる。

※1 コンピテンスベース教育
学生の修業期間(seat time)ではなく、学生が習得した資質(コンピテンス)を基に進捗度を測る教育のこと。評価方法として直接評価が挙げられる。
※2 直接評価
学生が習得した知識や技能を直接評価し、学習の進捗度を測定する方法。講義や指定教材がなく、単位時間(credit hour)は考慮されないため、学生は自らのペースで学習することが可能。従来の講義を通じた単位制と直接評価を併用する課程は、連邦奨学金の支給対象外となっている。直接評価には、研究プロジェクト、論文、試験、プレゼンテーション、実技、ポートフォリオなどが用いられる(参考:Book, 2014)。
※3 FWSプログラム: Federal Work-Study Program
財政支援が必要な学生に、大学内外でのパートタイム労働の賃金の一部を連邦政府が補填する制度

ESI事業は、特定の条件に見合う教育プログラムを選定し、現行の連邦奨学金支給対象要件を変更した際の影響を調べるための制度である。この制度は、高等教育法487条A(b)によって、次のように定められている。

高等教育法487条A(b)
(3)選定
(A)概要(連邦教育省)長官は、特定の規制や新設される管理制度の影響、効果についての助言を得るため、試験的事業(experimental sites)へ任意で参加する教育機関を選定する権利を有する。
(4)成果の測定
(略)長官は、以下の項目を基に事業実施機関の成果を測定する-
(A)(略)納税者負担を生じずに、機関の管理的経費を削減する参加機関の努力
(B)学生へのサービス提供、または学生自身の利益の改善

なお、連邦教育省は2013年3月に、直接評価(コンピテンスベース教育)課程が連邦奨学金支給プログラムとして認定されるための手引きを公表している。この手引きは、直接評価課程に関する既存の連邦行政規則をまとめたものである。規則によると、直接評価(コンピテンスベース教育)課程が連邦奨学金支給対象となるには、①アクレディテーションの取得と、②直接評価と単位時間との同等性について、アクレディテーション機関との間で合意が必要であるとされている。

また、2014年3月には、質の高いコンピテンスベース教育を開発するための研究ネットワーク、Competency-Based Education Network(C-BEN)に参加する大学が発表されている。C-BENには、18の大学と2つの大学機構が参加しており、コンピテンスベースの学位プログラム開発とプログラム運営へ向けた提言をまとめることになっている。

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