韓国が外国の教育機関の受け入れを拡大

原典:Pie News(英語)

韓国教育省は、松島(Songdo、송도)新都市を国際教育のハブとする目的で、外国からの投資に対する規制を緩和し、仁川グローバルキャンパスでの外国の教育機関の受け入れ※1を拡大すると発表した。松島はソウル郊外の仁川(国際空港がある都市)に隣接し、韓国政府により経済自由地域に指定されている。

※1 仁川グローバルキャンパスには、米国のストーニーブルック大学(SUNY)とジョージメイソン大学の2校が分校を設置していたが、2014年9月にユタ州立大学、ゲント大学(ベルギー)が開校した。また、韓国国内には、STC-Korea(オランダ)とFAU釜山分校(ドイツ)の2校も存在する。ただし、韓国にある外国の大学は外国からの投資誘致が目的であり、韓国人学生の入学は定員または在学生の30%未満とする規制がある(杉本, 2012: p186)。

今回の規制緩和により外国のトップ大学を誘致し、韓国人学生の国外流出に歯止めをかけるとともに、外国人留学生の受入増加も目指す。そのため、留学生の受入要件(韓国語能力試験の成績基準)の緩和と、職業訓練ビザの支給対象の公立機関から私立機関への拡大も行う。さらに、この地区の大学に通う韓国人学生には、兵役義務の延期も認められるという。

一方、受入留学生の中には不正に入手した書類を用いて学力を証明※2する者もいるとの指摘が不正防止・公民権委員会よりなされていることを受け、申請書類にはKCUE(韓国大学教育協議会)による二重チェック体制が敷かれる制度の導入が検討されている。

※2 留学希望者の学力は、韓国の大学修学能力証明試験(修能、수능)の成績に置き換えられ評価される

韓国当局によると、現在交渉を行っている中には、ニューヨーク州立ファッション工科大学(SUNYの一部)も含まれるそうである。今回の措置を通じて、政府には誘致した外国の大学と韓国内の大学との連携を推進したい意向があるようだが、韓国の大学は予算削減による深刻な財政難に苦しんでおり、松島地区に誘致される世界トップレベルではない大学との連携に乗り気ではないだろうとの意見が、大学関係者から聞かれている。

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