中国の大学院教育改革・量から質の時代へ

原典:国务院学位委员会 「教育部关于加强学位与研究生教育质量保证和监督体系建设的意见」(中国語)

中国教育部が国家発展改革委員会、財政部とともに2013年に発表した「大学院教育改革推進に関するガイドライン」※1では、質保証システムの整備が大学院教育改革の重点の1つとされている。これを受けて、2014年1月に、国務院学位委員会と教育部より「学位・大学院教育の質保証と監督システム整備強化に関するガイドライン」※2が発表された。教育機関の自己評価、教育行政部門の監督管理、学術組織・業界・社会による監督という三位一体的な質保証をめざしており、学位授与機関が質保証システムを整備するための基本的規範が掲載されている。同時に修士以上の「学位授与権をもつ学科に対する合格評価方法」※3と「博士・修士論文抽出検査方法」※4も発表される等、改革に向けた取組みが本格化している。※5

2014年11月に開催された第31次国務院学位委員会では「中国の大学院教育は量から質の時代に入った」と確認されており、今後も法規の整備や情報公開、内外部の質評価システムの整備、証書方式、イノベーション人材の育成等について、さらに整備を進めていくこととしている。※6

[文中の補足および関連リンク]

※1
「大学院教育改革推進に関するガイドライン」(2013年3月29日)
原語:「教育部 国家发展改革委 财政部关于深化研究生教育改革的意见」教研[2013]1号[中文]
※2
「学位・大学院教育の質保証と監督システム整備強化に関するガイドライン」(2014年1月29日)
原語:「国务院学位委员会 教育部关于加强学位与研究生教育质量保证和监督体系建设的意见」学位[2014]3号[中文]
※3
「学位授与権をもつ学科に対する合格評価方法」(2014年1月29日)
原語:「学位授权点合格评估办法」、「国务院学位委员会 教育部关于印发《学位授权点合格评估办法》的通知」学位[2014]4号[中文]「学位授与権をもつ学科に対する合格評価」は、修士以上の学位授与権についての審査制度で、2014年8月より6年を1周期として実施されることとなった。2018年までの5年間は学位授与機関による自己評価をおこない、6年目の2019年に教育行政部門が20%以上の無作為抽出評価を実施する。結果によって期限が変更されたり、学位授与権が取り消されることとなっている。

※参考として、NIAD-UE評価事業部国際課がまとめた日本語訳「中国の修士以上の『学位授与権をもつ学科に対する合格評価』の自己評価および無作為抽出評価の際の要素」をご覧ください。

※4
「博士・修士論文抽出検査方法」(2014年1月29日)
原語:「博士硕士学位论文抽检办法」、「国务院学位委员会 教育部关于印发《博士硕士学位论文抽检办法》的通知」学位[2014]5号[中文]「博士・修士論文抽出検査」は、前年度の博士、修士論文に対して毎年1度実施される検査で、博士論文は10%前後、修士論文は5%前後が抽出される。検査結果は、「学位授与権をもつ学科に対する合格評価」において重要な指標とされ、問題のある論文が多い場合は、改善状況によって学位授与権を取り消される。
※5
このほか、「大学院教育改革推進に関するガイドライン」の要求に基づき、国務院学位委員会学科評議グループと全国専門職学位大学院教育指導委員会は、2013年より学科別の「博士、修士学位の基本的要求」(原語:「博士、硕士学位基本要求」)の作成に取り組んでいる。大学院教育の学位授与の質を保証する「国家基準」として、合格評価および博士・修士論文抽出検査方法の評議や教育機関内部の質保証システム整備等に活用される。
※6
教育部学位・大学院教育発展センター(CDGDC)は、大学院教育改革の専門サイト「深化改革 托起研究生教育强国梦」[中文]を設置して、関連情報を提供している。
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