学部海外留学の意思決定- 出身国によって多様な影響

原典:The UK Higher Education International Unit(英語)

英国高等教育国際ユニット(The UK Higher Education International Unit)は、2015年12月9日に調査研究レポート「International Undergraduate Students: The UK’s Competitive Advantage」を発表した。

学部学生の海外留学市場における英国の競争優位性について考察することを目的とし、留学の満足度や意思決定に影響した要素を問う国際的な学生調査「International Student Barometer: ISB」(i-graduate社)の結果が英国高等教育国際ユニットによって分析された。

海外留学の意思決定に何が影響したか

ISBは、英国に留学した学部1年生1万人以上を対象に、留学先大学を選ぶ際の決め手意思決定に影響を与えた者(媒体)についてのアンケート調査を実施し、本レポートではその結果を受け、留学生のリクルーティングを効果的に展開していくための方策などに言及されている。

留学の決め手(key decision-making factors)

ISB調査の回答結果(2014-2015年度、N=11,362、重要度を4段階で評定)では、16の選択肢中、「大学の評判」が最も高く(3.46点 ※満点=4.00)、「学びたいコースがある」(3.43)、「能力を高められそうである」(3.33)、「安全面」(3.31)と続いた。

「大学の評判」と「学びたいコースがある」は、出身国別(13か国)でみた場合、いずれの国においても最上位であった。一方、「安全面」は東南アジア、インド、ナイジェリアの出身者で特に高い数値が出ており、出身国によって異なる特徴もあらわれた。

「生活費」(3.17)、「学費」(3.09)、「就業機会」(3.01)は重要度が比較的低かった。ただし、学生満足度を問う際には非常に重要な要素となっていることから、これらは進路選択時よりも就学中に実感することの多い要素であることがうかがえる。

留学の意思決定に影響を与えた者(媒体)(key influencers)

ISB調査の回答結果(2014-2015年度、N=10,938、YES/NOの択一式)を選択肢(20項目)別に見ると、「大学のウェブサイト」(38%)、「家族」(35%)、「友人」(34%)、「大学ランキング」(33%)、「留学エージェント」(26%)が回答の上位であった。そのうち「家族」の影響は総じて高い傾向にあった。

出身国(14か国)別でみると、中国からの留学生(N=1,121)では、「留学エージェント」が助けになったとの回答が最も多く(46%)、「家族」(34%)、「友人」(32%)、「出身教育機関の先生」(27%)と続いた。「留学エージェント」が回答の上位にきた国は、中国の他にマレーシア、ナイジェリア、インドであった。

「大学ランキング」については、シンガポール(45%)、香港(43%)、マレーシア(42%)からの留学生で高い回答がみられた一方、中国(24%)や米国(18%)では比較的低かった。こうした数値のばらつきは、他項目でも散見された。例えば、大学のウェブサイトは、40%を超える国が半数(7か国)ある一方、中国は19%であった。

学部留学生のリクルーティング戦略を立案する際には、こうした出身国による傾向の違いに配慮する必要性が示唆される結果となった。

なお、同レポートによると。英国は他の主要受入国(豪州、カナダ、ニュージーランド、米国)と比べて国外からの留学生の満足度が最も高く、英国国内の大学が改善に努力している証左であると結論付けられている。

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