CHEAが中国の民間教育事業者を「クオリティプラットフォーム提供者」の第1号に認定

原典:CHEA(英語)

2016年1月26日、CHEA(米国高等教育アクレディテーション協議会)は、CHEAとCIQG(CHEA国際質保証グループ)が共同開発した「クオリティ・プラットフォーム」において、中国の民間教育事業者であるDe Tao社の教育プログラム「De Tao Masters Academy Advanced Classes」を、クオリティ・プラットフォーム提供者(Quality Platform Provider)として認定したことを発表した。今回が初の認定であり、認定書の授与式がCHEAの2016年次会合で行われた。

クオリティ・プラットフォームとは、高等教育機関による学位授与を目指した従来型の教育とは異なるコースやモジュールを提供する‘新たな’教育提供者を対象に、その教育の質を評価(レビュー)する活動である。米国では、そのような‘新たな’教育提供者は、高等教育への物理的・金銭的アクセスのしやすさといった学生の需要に対応するものとして、重要視されつつある。このプラットフォームは学習成果を中心に置いた基準(4基準)に基づいたレビューを行い、学生が何を学んだかに焦点を当てて提供者の質を測る。レビューのプロセスは主に、包括的な自己評価書の作成とレビューチームによる訪問調査の2つで構成されている。

クオリティ・プラットフォームの4つの基準

  1. 学習成果が達成されているか
  2. 学習成果が高等教育段階で求められる内容を満たすものか
  3. カリキュラムは単位の移転を可能にしているか
  4. 透明性が保たれ、比較可能性が確立されているか

CHEAは、今回のレビューにあたり、国際的な質保証に深い見識を持つ有識者を招集して、レビューチームを結成した。レビューチームから、DeTao社のプログラムにおける学生の参画や学習成果の質に対する活動を高く評価し、「De Tao Masters Academy Advanced Classes」をクオリティ・プラットフォーム提供者として認定することを決定した。

今回のレビューを受けたDe Tao社とは、2012年に中国で設立された民間企業であり、従来の教育方法を越えた、革新的な教育プログラムの提供を目指しており、中国の高等教育制度外の位置付けとされている。プログラムには中国および海外約5カ国から学術界・産業界で優れた業績を持つ人物が「マスター」(大師)として参画している。

CHEAのJudith Eaton会長は、「今回の事例をクオリティ・プラットフォームへのすばらしい一歩として評価する。今回の結果は、学生の学習成果を重視する‘新たな’教育提供者のレビューを行うことに確かな価値があることを示すものと信じている。さらなるパイロット事例を増やし、実績を積み上げて、アクレディテーション機関や質保証機関が活用できるようにしたい。」とコメントした。

米国の連邦教育省は、‘新たな’形態の高等教育についても連邦奨学金の受給対象とすべく、「EQUIP」(Educational Qualuty through Innovative Partnership)と呼ばれるパイロット事業を立ち上げている(本サイト2015年11月25日投稿記事)。同事業では教育提供者が質保証を行う第三者機関を用意することが求められている。今回のCHEAの試行プロジェクトとともに、‘新たな’高等教育に対する質保証の動きが米国内の各方面で現れている。

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