出典①:German Accreditation Council:GAC(ドイツ語)
ドイツアクレディテーション協議会(GAC)は、今後アクレディテーション基準を改定する際に、学修課程における職業指向性及び専門性を今後より考慮していく方針であることを示した。
これは、作業部会「職業指向性と専門性」が作成した報告書「Abschlussbericht und Empfehlungen der Arbeitsgruppe Fachlichkeit und Beruflichkeit」の提言を受けてなされたものである。例えば、高等教育機関側の要望がある場合、アクレディテーションに際して、職業指向性及び専門性に係る基準を考慮するべきなどの提言が示されている。
<当作業部会の公表した報告書の主な提言>
- 学修課程における専門性と職業指向性は、GACのアクレディテーション基準によって認定されるべきであり、アクレディテーション機関の基準に基づき付与された質保証資格(Qualitätssiegel)※1が、GACの質保証資格に取って代わることはできない。
- 様々な学問分野の専門性・職業指向性を形成する要件は、それぞれ部分的に著しく異なっているため、統一的なアクレディテーション手法を用いることはできない。
- 高等教育機関は、アクレディテーションにおいて、形式的な審査過程が優先されることに対して不満を持っている。また、手続そのものの簡素化や一層の情報公開の必要性を感じている。
- 高等教育機関の求めがある場合は、アクレディテーションの際に、職業指向性と専門性に係る学修目標志向的な基準を考慮するべきである。
- アクレディテーションによって、高等教育機関がどのような学修プログラムを提供し、学生の職業能力をいかに育成するのかを明らかにするべきである。(このために、例えば、「学修期間」、「学修成果の評価」、「卒業者及び中途退学者に関する調査」を確認することなどが考えられる。)
- 評価者を訓練する際は、最新の専門的・職業的水準を取り扱うこととし、各学問テーマにおける事例の紹介等を含む手引書などの関係資料が提供されるべきである。
- 既存の卒業生調査は、学修課程を再評価する際に考慮されるべきである。
- 高等教育機関は、学修課程設置時にGACの基準をどのように考慮したかについて明らかにするべきである。
- GACは、アクレディテーションにおける専門性と職業指向性という側面の重要性について、関心のある人々に情報提供するために、積極的な情報提供戦略を開発するべきである。
当作業部会は、労働組合、雇用者団体及び学生の協働の提案によってGACに設置されたもので、これまで職業指向性と専門性を保証するための参照基準、特にドイツのアクレディテーション機関が独自に発行する質保証資格や英国の分野別参照基準などの研究と同時に、高等教育機関及び経済界の関係者に対する包括的なアンケートの活動を行っている。
※1 アクレディテーションされた学修課程には、有効期間中、質保証資格(Qualitätssiegel)が付与される。質保証資格には、GACのアクレディテーション基準に基づくものと、各アクレディテーション機関の基準に基づき、主に海外の高等教育機関の学修課程向けに付与されるものの二つがある。