韓国とニュージーランド両政府が中等教育修了資格を相互に認証

中等教育修了資格の同等性を確認

よりスムースな学生交流が可能に

数学と科学の2教科で専門的な分析を実施

韓国とニュージーランドの両政府は、両国の中等教育修了資格を相互に認証することに合意し、2017年2月23日にウェリントンで合意文書への調印が行われた。これにより、韓国の高等学校修了資格(Korean Higher School Certificate)とニュージーランドのレベル3教育修了資格(NZ National Certificate of Educational Achievement Level 3)の同等性が公式に認められた。また、これに先駆けて両国の中等教育の教育レベルを比較する調査の報告書も公開された。

深まる両国関係

韓国とニュージーランドは2009年に教育連携協定を、2015年には自由貿易協定(FTA)を締結しており、国家間の結びつきを強めている。ユネスコの統計によると、高等教育レベルで韓国からニュージーランドへおよそ1,300人の学生が留学している。これは韓国の学生の留学先として8番目に多い。一方、数は多くないもののニュージーランドの学生にとっても韓国は上位10位に入る魅力的な留学先となっている。

韓国の学生の留学先(2015年)
順位 留学先 留学生数
1 アメリカ合衆国 63,952
2 日本 14,958
3 オーストラリア 6,551
4 イギリス 4,752
5 カナダ 4,685
8 ニュージーランド 1,295
合計 108,304
ニュージーランドの学生の留学先(2015年)
順位 留学先 留学生数
1 オーストラリア 2,382
2 アメリカ合衆国 1,448
3 イギリス 503
4 ドイツ 138
5 カナダ 114
9 韓国 67
合計 5,285
教科レベルの比較調査

韓国カリキュラム・評価機構(KICE: Korean Institute of Curriculum and Evaluation)とニュージーランド資格機構(NZQA: New Zealand Qualifications Authority)は、両国の教育カリキュラムの比較調査を行い、2015年6月にその結果をまとめた。調査では国による教育内容の違いが少ない数学と科学を対象とし、後期中等教育レベルの内容を比較分析した。その結果、両国のカリキュラムは比較可能なレベルであり、ニュージーランドのカリキュラムの柔軟性によって韓国の国家カリキュラムで定められた学習内容は充分カバーできると結論づけられた。

資格認証制度の整備が進む

ニュージーランドは世界で初めて国家資格枠組(NQF: National Qualifications Framework)を導入するなど外国資格の認証に対する経験が豊富な国であり、2020年までに最低50ヶ国と資格の相互認証協定を結ぶ目標を掲げている。高等教育進学資格の認証に関するユネスコ条約に関しても、欧州地域条約(リスボン認証条約)とアジア太平洋地域条約(東京条約)の2つを批准している。

一方の韓国では約10万人の韓国人学生が外国で高等教育を学んでおり、2013年には欧州連合と高等教育パートナーシップ協定(本サイト2013年12月12日掲載記事)を結んでいる。また、東京条約の批准に向けた準備を進めている

原典①:ニュージーランド政府
原典②:NZQA & KICE (共同調査報告書)
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