英:見習い学位の活用が拡大傾向

見習い学位制度への大学の参画状況調査

多くは同一地域の企業との連携

財源確保のため「見習い税」導入へ

イギリスの大学による見習い学位(Degree Apprenticeship)制度(本サイト2015年4月6日掲載記事)の活用は増加の一途であり、対象業種も拡大傾向にあることが、2017年3月に公表されたイギリス大学協会(UUK: Universities UK)のアンケート調査で分かった。2017/18年度には本制度の利用者が7,600人を超え、43業界で新たに見習い基準(“trailbrazer”と呼ばれる企業群が定める、その職種に必要なスキルと訓練内容のこと)を開発する意向であるという。

2015年に始まった見習い学位制度は、企業が従業員の技能向上を目的に教育機関と協力して訓練を提供するものである。「見習い」となる従業員は就労と学習を並行させ学士号や修士号の取得を目指す。これまでの見習い制度同様に企業と国が費用を負担するため、学費ローンを借りることなく学位が取得できる点も魅力の1つである。

地域密着型の産学連携

今回の調査では、少なくとも60の大学が2017/18年度に見習い学位を実施する予定であり、「見習い」学生数は7,600人を超える見通しが判明した。また、その大半は地域密着の就学体系であり、高等教育機関が地元企業のために教育を提供する構図も明らかになった。

UUKの長短所分析

UUKによると、見習い学位制度によって大学は企業との連携を強められ、これまで大学進学を意識していなかった層の入学が促されることを魅力として挙げている。また、教育と雇用のミスマッチを回避できる点も大きい。

その一方で、大学と継続教育カレッジの連携不足や見習いの学生に対する大学全体が一丸となった支援体制の構築に課題があるとした。また、政府に対しては、本制度を普及させ理解を深めるための一層の努力を求めた。

見習い税の導入

イギリス政府は、2017年5月から全国の企業に対して「見習い税(Apprenticeship Levy)」を導入する。これは、年間人件費の0.5%を見習い訓練のための基金に拠出させるもの。ただし、税額のうち1万5000ポンド分は控除されるため、実質的には年間人件費総額が300万ポンドを超える企業のみが納税対象となる。政府も見習い基金に納付された税額に応じた拠出をし、見習い学位制度の運用に必要な経費が賄われることになる。

原典①:Universities UK (報告書)
原典②:イギリス政府
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