中国:中央直属大学で実施されている審核評価の訪問調査

原典①:教育部评估中心(中国語)
原典②:北京大学(中国語)
原典③:上海市政府(中国語)

中国の大学の学士レベルの教育評価である「審核評価」は、過去の機関別評価に合格している大学を対象として、2014年から中国全土で展開されている。

地方大学に対しては、それぞれの地方政府の教育部門が国の定めた方針に則って評価計画を策定し評価を実施している。
例えば、上海市では、上海市教育委員会が教育部の指導のもと上海市の審核評価の責任を担っており、上海市教育評価院に評価業務を委託して、地域の高等教育の特性にあった方法で評価を実施している。

中央政府直属の大学に対しては教育部高等教育評価センター(HEEC)が審核評価を実施している。
例えば、北京大学では、2016年11月7日から10日まで、南京大学の陳駿校長など、21人の専門家チームによる学士課程への訪問調査が行われた。

調査範囲は、46の部局(原語:教学部、院、系、附属医院)と26の管理部門であった。延べにして、各部署への訪問166回、講義への傍聴64回、69人への面談が行われた。また31の学問分野の994本の卒業論文と、54件のプログラムの4200件の試験答案の審査、39回の面談が行われた。

訪問調査の最後に開かれた専門家のフィードバック会議では、「未来のリーダーの育成目標」と「教養教育(原語:通識教育)と専門教育を結合させる学士課程教育改革」の考え方が、北京大学の自己の位置づけと発展方向に合致していると評価された。一方課題としては、プログラムの大部分がいまだ講義中心であること、教員と学生のインタラクションが少ないこと、教授法とテスト方式の調整の必要性等の指摘があった。質保証についての課題としては、質保証のPDCAサイクルが有効に回っていない、教育の質に関する情報の収集と利用が不完全であるなどの指摘があった。教育の質のモニタリング・管理の面では、人材育成において、専門教育に重きが置かれているため教養教育体系が未だ不完全であり、教養教育の教員組織強化が必要との指摘があった。

訪問調査の専門家チームには、アメリカのシカゴ大学、カナダのトロント大学、英国のニューキャッスル大学の専門家が含まれている。

審核評価への外国人専門家の参加については、2016年11月に行われた厦門大学の審核評価には、カナダのセントメアリー大学の専門家、2016年5月に行われた武漢大学の審核評価の専門家チームには、アメリカのUCLAの副学長のほか、日本高等教育学会の元会長金子元久氏も名を連ねている。

 

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