2017年4月26日、Higher Ed Services(Universities Australia※1による非営利団体)は、オーストラリアとニュージーランドの大学の学業成績証明書をオンラインで提供するサービス“My eQuals”を開始した。
My eQualsは、オンラインで学業成績証明書(原本としての電子データ)を受け取ることができるサービスで、学生及び卒業生が受領した証明書を、彼らが指定した第3者と共有することが可能となっている。このことから、学生の国際的なモビリティの向上を支援するだけでなく、資格詐欺に対処しうる革新的な方法であると考えられている。
本サービスは、オーストラリアのメルボルン大学、モナシュ大学、グリフィス大学、ニュージーランドのオークランド大学で利用が開始されており、今後、全体で45大学(オーストラリア37大学、ニュージーランド8大学)の参加が計画されている。
eQualsのメリット
- 大学が真正性を保証した証明書が発行される。
- 時間や場所を問わずアクセスできる。
- 証明書を学生及び卒業生が指定した第3者(教育機関、雇用主等)と共有できる。
- 文書の発行や検証にかかるコストと時間を削減できる。
- 将来的には、オーストラリアの大学への入学を希望する海外の学生の資格を検証する際に、同様のプラットフォームとの連携もありうる。
My eQualsは、フローニンゲン宣言に対するオーストラリアの対応である。
フローニンゲン宣言は世界23ヶ国の大学、機関、企業等による国際的な取組みで、デジタル形式の学生データの真正性を促進し、世界中の学生のモビリティを向上させることを目的としている。オーストラリアからは、Universities AustraliaとVETASSESS(職業教育訓練評価機関)が参加している。
原典:Australian Government, Department of Education and Training(英語)
※1 オーストラリア大学協会。大学セクターを代表する団体で、オーストラリアの大学の最高経営責任者(Vice-Chancellor)で構成されている。