欧州:U-Multirankの指標別トップ25に日本の大学がランクイン

2017年3月30日に最新版となる第4版が公開された高等教育機関の多元的世界ランキング「U-Multirank」(本サイト2017/5/31投稿記事)の指標の中で、U-Multirankが選んだ9つの指標別大学ランキングトップ25について紹介する。このうち、日本の大学は、「研究論文数(絶対数)」、「企業との共同研究による論文」、「特許数」の3つにランクインしている。なお、いずれも機関レベルのランキング結果である。

研究に関する指標
研究論文数(絶対数)

トップ25の内訳は、米国(11)、アジア(6)、欧州(4)、オーストラリア(2)、ブラジル(1)、カナダ(1)となっており、米国の大学が大部分を占めている。欧州の内訳はすべて英国となっている。また、アジアの内訳は中国(4)、日本(1)、韓国(1)となっており、日本の大学からは、東京大学がランクインしている。

トップ高被引用論文

この指標は国際的な研究卓越性を測る指標で、同じ分野かつ同じ年の高被引用論文の上位10分の1に、大学が発表した論文が何割入っているかを比較する。トップ25の内訳は、米国(15)、欧州(9)、イスラエル(1)であり、米国の学術研究への影響力が大きい。上述のように、アジアには研究論文数で高いスコアを出している大学もあるが、引用に関しての影響力は概して大きくない。

学際的研究の論文

この指標は大学の論文の参照リストが他分野の引用論文を記載している程度を比較する。トップ25は、特定の国に偏らず、幅広く分布しており、欧州(16)、アジア(9)、エジプト(1)となっている。なお、米国及び日本の大学はトップ25にランクインしていない。また、トップ25の機関には、医学・薬学系の大学や技術系の大学等が含まれている。

知識移転に関する指標
企業との共同研究による論文(大学の研究論文数に占める割合)

トップ25の内訳は欧州(16)、アジア(7)、米国(2)となっている。なお、日本の大学からは、横浜国立大学、東京農工大学、福岡女子大学、名古屋工業大学、北陸先端科学技術大学院大学、豊橋技術科学大学の6校がランクインしている。

特許数(学生1000人あたり)

トップ25の内訳は米国(15)、アジア(6)、サウジアラビア(2)、イスラエル(1)、フランス(1)となっており、米国が圧倒的な数を占める。アジアの内訳は、日本(2)、韓国(2)、台湾(2)となっている。なお、日本の大学からは、東北大学と豊橋技術科学大学がランクインしている。

専門職継続教育プログラムによる収入(大学の歳入全体に占める割合)

この指標では、専門職継続教育プログラム※1を市民・企業に対する知識移転の機会ととらえている。トップ25は18の国に分布しており、内訳は欧州(20)、アフリカ(2)、アジア(2)、ペルー(1)となっている。また、ビジネススクール、技術系の大学、芸術系の大学など多様な大学がランクインしている。

国際性に関する指標
学生の流動性(受入交換留学生、派遣交換留学生、ジョイント・ディグリー学生の構成)

トップ25の内訳は欧州(24)、メキシコ(1)となっており、欧州が圧倒的な数を占める。特にフランス(9)とドイツ(7)が多く占めている。また、トップ25の約半数がビジネススクールまたは経営学や経済学に特化した機関となっている。

国際的な共同研究による論文(大学の研究論文数に占める割合)

トップ25の内訳は欧州(13)、中東(6)、アフリカ(4)、モンゴル(1)、ペルー(1)となっている。ランクインした大学の研究論文数に占める割合は、最低でも75%以上の数値となっている。米国の大学の多くは他の国内大学と共同研究するため、ランクインしていない。トップ25は18カ国で構成されており、多様性に富んでいる。また、リヒテンシュタインやルクセンブルクなど、自国内に共同研究相手があまり多くない国々がランクインしている。

地域貢献に関する指標
地域の産業界との共同研究による論文(大学の研究論文数に占める割合)

トップ25の内訳は欧州(21)、台湾(2)、モロッコ(1)、イラン(1)となっており、欧州に独占されている。ランクインした多くの大学の研究論文数は、絶対数で見ると少ない。欧州域内においては、ポルトガル(6)が多い。

※1 専門職継続教育プログラム:社会人を対象にした専門性の深化、技能の向上、労働力の成長等を目的とするプログラム

原典:U-Multirank(英語)

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