マカオ:進む高等教育評価制度の法整備と構築

マカオ特別行政区の高等教育は、この30年余りの間に急速な発展を遂げ、現在では4つの公立大学、6つの私立大学を有し、多くの海外の大学もマカオにおいて高等教育プログラムを提供している。現在マカオ政府は高等教育の改善と更なる発展を目指し、高等教育制度に関する法整備と評価制度の構築を推し進めている。

【高等教育制度法の制定】

マカオでは、約20年ぶりに高等教育制度を定めた法律の抜本的な見直しが行なわれ、2017年7月に「高等教育制度法」(第10/2017号法律)がマカオの立法府で可決された。新法は1年後の2018年中に発効する予定である。

新法では、大学の自主権と自由度の拡大、単位制の導入、研究活動及び学生支援のための高等教育基金の創設などが盛り込まれたほか、評価制度の構築が定められた。

●当該法では、マカオの高等教育の評価制度は、機関レベルと、プログラムレベルの評価から構成されると規定されている。

評価制度の具体的内容については、2018年に別途行政法規が整備される予定。

[機関レベル]
  • 機関別アクレディテーション(任意)
  • 機関別オーディット(義務・周期的実施)

※オーディット:高等教育機関における内部評価や質保証の仕組みが機能していることを確認するために行われる、機関内部の質保証の取組みや手続き(責任の所在、機関内の意思疎通や調整作業等)の整備状況や効果についての点検のことを指す。学外の第三者機関によるオーディットという場合も、こうした内部の質保証の機能に着目した点検・評価が行われる。

[プログラムレベル」
  • プロブラムアクレディテーション(義務・新規開設時もしくは大きな変更時)
  • プログラムオーディット(義務・周期的実施)

*評価制度の具体的内容については、2018年に別途行政法規が整備される予定。

【質保証メカニズム構築の取組み】

マカオの高等教育を管轄する高等教育補助弁公室は、近年海外の質保証機関の協力を得て、質保証メカニズムの構築に向けた取組みを行っており、香港の質保証機関HKCAAVQや、ポルトガルの質保証機関A3ES(Agency for Assessment and Accreditation of Higher Education )の協力を得て、既に以下の質保証に関する5つのガイドライン(試行)を作成している。

高等教育補助弁公室は、段階的に試行的評価を実施する予定で、プログラムアクレディテーションについては、すでにマカオ科技大学において、HKCAAVQに委託し、英国やオーストラリアの評価委員を含む専門家チームによる新規プログラムに対する試行的評価を行い、プログラムアクレディテーションガイドライン(試行)と外部質保証機関ガイドライン(試行)の内容と実行可能性などについて検証を行っている。また、各高等教育機関や一般からの意見も聴取して修正を加えている。

【今後の進展】

2018年の新法発効後、マカオの高等教育機関に対して、新規開設時もしくは大きな変更時のプログラムアクレディテーションの受審及び周期的な機関別オーディットとプログラムオーディットの受審が法律によって義務化される。高等教育補助弁公室によると、マカオはその地域の規模が大きくないことから、評価機関を独自に創設することが難しい。そのためマカオの高等教育機関は、機関別評価、プログラム評価のすべてにおいて、それぞれ自らに適した海外の評価機関に委託し、外部評価を受ける形をとるとしている。したがって、今後多くの海外の質保証機関が、マカオの質保証に参入してくることが考えられる。これまでに、マカオの質保証の枠組みの構築に協力してきた、HKCAAVQやA3ESのほか、すでにマカオで評価を実施している、英国のQAA、台湾のHEEACT、また、これから実施する中国のHEECのほか、中国のCDGDCなどの参画が予想される。

原典:澳門特別行政區第10/2017號法律 高等教育制度(中国語)

 

 

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